2005 Fiscal Year Annual Research Report
新たに見出した脂肪細胞の新機能と生活習慣病態との連関の解明ならびに制御剤の開発
Project/Area Number |
16590054
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
國安 明彦 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (90241348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 仁 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70088863)
川原 浩一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10347015)
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Keywords | 脂肪細胞 / アディポカイン / CD36 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
申請者らは、酸化LDLやAGEの取り込みによって悪玉アディポカインであるplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)やレジスチンの分泌量が増大し、逆に抗肥満因子であるレプチンの産生量が減少することを明らかにしてきた。 本年度は、酸化LDLによるPAI-1とレジスチンの産生促進の分子機構を、転写・翻訳段階に着目して調べ、分泌量増大を引き起こす酸化LDL成分を探索した。 (1)リゾホスファチジルコリン(Lyso-PC)によるPAI-1分泌促進機序の解明 酸化LDLはPAI-1の転写活性化を促進することを見いだした。酸化LDL中のどの成分がこれを活性化しているか調べたところ、酸化生成物リゾホスファチジルコリンであることを明らかにした。この作用にはMAPキナーゼシグナルが関与していた。現在、創薬標的となりうるLyso-PCが作用する分子の探索を行っている。 (2)酸化LDLの取込みによるレジスチン翻訳活性化と分泌促進作用の解析 酸化LDLはレジスチンの転写レベルを変化させずに、その分泌量を増大させる。ポリゾーム解析と翻訳阻害剤を用いた実験により、酸化LDLは翻訳レベルを活性化することでレジスチン発現を増大させることが分かった。また、この翻訳調節にはレジスチンmRNA上の3'-UTR側が重要であることをルシフェレーゼアッセイにより明らかにした。さらに、酸化LDL中の翻訳促進因子について探索を行ったが、既存の過酸化脂質成分ではなかった。 酸化LDLによるアディポカイン産生促進機序が次第に明らかになってきた。次年度はこれまでの結果を踏まえ代謝症候群の予防と治療に結びつく創薬標的分子を明確にし、治療候補薬のスクリーニングを行う。
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Research Products
(2 results)