2005 Fiscal Year Annual Research Report
コリン作動系によるリンパ球機能の制御に関する分子薬理学的研究
Project/Area Number |
16590060
|
Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
藤井 健志 同志社女子大学, 薬学部, 助教授 (80255380)
|
Keywords | Acetyicholine / B cell / Choline acetyltransferase / Muscrinic receptor / Nicotinic receptor / siRNA / Statins / T cell |
Research Abstract |
ヒトT細胞系白血病細胞株を用いて以下の研究を行った. 1.各ACh受容体サブタイプに選択的なsiRNAの構築 M_3およびM_5ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR),あるいはα7ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)発現を効率良く抑制するsmall interfering RNA(siRNA)を構築して,ヒトT細胞系白血病細胞CCRF-CEMに導入した.これらのsiRNAによりCCRR-CEM細胞における各遺伝子発現量は対照群の約40-50%にまで減弱した.各受容体ノックアウト細胞において,mAChRあるいはnAChRを介する細胞内Ca^<2+>シグナルが選択的に減弱したことから,M_3およびM_5 mAChR,およびα7 nAChRを介する細胞内Ca^<2+>シグナル伝達機構の存在が明らかとなった.現在さらにα5 nAChRに選択的なsiRNAの影響を検討中である. 2.CD11aを介するコリン作動系活性の調節機構: 抗CD11a抗体により,ヒトT細胞系白血病細胞株MOLT-3においてコリン作動系活性が上昇した.この上昇作用はスタチン系薬simvastatinにより抑制された.すなわち,スタチン系薬の免疫抑制作用の一部に,CD11aを介するT細胞コリン作動系の活性調節の関与が示唆された. 3.アセチルコリン(ACh)合成酵素コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)cDNAおよび抗親和性コリントランスポーター(CHT1)遺伝子の導入: 各ヒトChAT mRNA(R, N1,N2,Mタイプ)およびCHT1をコードするcDNAをヒトT細胞系細胞株に導入して,発現量をRT-PCR法およびウェスタンブロティング法により検討した.現在,cDNA導入効率が20%程度と低かったために,解析が困難であった.現在50%以上の導入効率を目指して,cDNA導入条件について再検討中である.
|