2004 Fiscal Year Annual Research Report
エンドトキシン受容体複合体のリガンド認職を司る因子に関する研究
Project/Area Number |
16590078
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
川崎 清史 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (60270641)
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Keywords | グラム陰性菌 / リポ多糖 / エンドトキシン / リピドA / 脱アシル化 / アミノアラビノース付加 |
Research Abstract |
グラム陰性菌の病原因子リポ多糖(エンドトキシン)は外膜の主要成分である。リポ多糖は糖鎖部位と膜アンカー部位のリピドAから形成されるが、リピドAがエンドトキシン活性を担っている。サルモネラ菌などのグラム陰性菌では感染応答によりリピドAの修飾が起こることが知られている。この修飾の宿主応答に与える影響及び修飾制御機構の解析を行った。 まず、リピドA修飾の意義を検討するために、脱アシル化、パルミトイル化、及び脱アシル化とパルミトイル化の両方を受けた修飾型リピドAと非修飾型リピドAを分離精製し、宿主リピドA受容体TLR4-MD-2複合体に対する刺激活性を解析した。すべての修飾型リピドAは非修飾型と比べて活性が30から100倍程度低下すること、すなわちリピドA修飾は宿主認識から逃れやすくなる点で細菌感染に有利に働くことがわかった。 また、サルモネラ菌のリピドA脱アシル化酵素PagLは感染を模倣する低マグネシウム培地培養下で発現誘導される。しかし、リピドA脱アシル化はこの培養条件下ではみられない。別の低マグネシウム応答性リピドA修飾であるアミノアラビノース付加の欠損株では、低マグネシウム培養下で脱アシル化が認められた。従ってリピドA修飾には相関があり、アミノアラビノース付加が脱アシル化を抑制することがわかった。この制御と病原性との関わりは不明だが新しい脂質修飾制御機構であると考えられる。
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Research Products
(1 results)