2005 Fiscal Year Annual Research Report
エンドトキシン受容体複合体のリガンド認職を司る因子に関する研究
Project/Area Number |
16590078
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Research Institution | National Insititute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
川崎 清史 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (60270641)
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Keywords | グラム陰性菌 / リポ多糖 / エンドトキシン / リピドA / エタノールアミン |
Research Abstract |
グラム陰性菌の病原因子リポ多糖(エンドトキシン)は外膜の主要成分である。リポ多糖は糖鎖部位と膜アンカー部位のリピドAから形成されるが、リピドAがエンドトキシン活性を担っている。サルモネラ菌などのグラム陰性菌では感染応答によりリピドAの修飾が起こることが知られている。この修飾飾制御の宿主応答に与える影響及び修機構の解析を行った。 前年度の解析結果から、リピドA修飾のうち脱アシル化、パルミトイル化は宿主認識から逃れやすくなる点で細菌感染に有利に働くことがわかった。本年度はさらにリピドA修飾の感染における生理的意義を解明する目的でホスホエタノールアミン修飾を受けたリピドAの精製を行なった。サルモネラ菌pmrCはホスホエタノールアミン転移酵素をコードしている。この酵素はリポ多糖リピドA部位のリン酸基のホスホエタノールアミン修飾を行う。本修飾と宿主Toll-like receptor認識との関りを解明するために、PmrCを大腸菌に強制発現させて修飾型リポ多糖を産生させて、ホスホエタノールアミン型リピドAを精製した。TLR4発現細胞株を精製リピドAで刺激してNF-κB活性化を測定したところ、非修飾型と修飾型では活性化の差は認められなかった。従って、ホスホエタノールアミン修飾によって宿主細胞による細菌認識は調節されないことが示唆された。一方、ホスホエタノールアミン修飾は陽性抗菌ペプチドに対する抵抗性を増加することが知られている。リピドA修飾は宿主自然免疫認識や自然免疫攻撃に対抗するために様々なリピドA修飾を行い対抗していると考えられる。
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Research Products
(3 results)