2004 Fiscal Year Annual Research Report
フォストリエシンをリードするプロテインホスファターゼ阻害剤の開発
Project/Area Number |
16590083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮下 和之 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (10166168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 武 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40028866)
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Keywords | フォストリエシン / リウストロダクシン / 収束型合成経路 / 不斉エポキシ化反応 / 不斉cis-ジヒドキシル化反応 / 不斉Diels-Alder反応 / Julia反応 / Stille |
Research Abstract |
フォストリエシンの合成経路を活用してリウストロダクシンの全合成を達成するに当たり、リウストロダクシンを3個のセグメントA,B,Cに分割しそれらをカップリングさせる収束型合成経路を立案した。本合成計画に従い、セグメントAについては、ペンテノールを出発原料としてSharpless不斉エポキシ化反応、有機アルミニウム試薬による開環反応を機軸として立体選択的合成に成功した。セグメントBは、(R)-リンゴ酸を出発原料としてWittig反応、不斉cis-ジヒドキシル化反応を用いて立体選択的に合成することに成功した。また、この合成課程において1,2-ジオール類の立体障害の大きい方の水酸基を位置選択的にエステル化するという、これまでに例のないエステル化反応を見出した。セグメントCについては、光学活性3-シクロヘキセンカルボン酸の不斉Diels-Alder反応による新たな合成方法を見出し、これを出発原料として立体選択的に合成することに成功した。最後にこれらセグメントA,B,Cのカップリング反応について検討を行った。我々の合成したセグメントBは、両末端保護基の選択的除去が可能で、セグメントB、Cどちらからでもカップリング可能であるが、リウストロダクシン類の多様性がセグメントCによることと反応性を考慮してセグメントAとBをまずカップリングさせることとし、Julia反応によるカップリングを検討し、収率に改善の余地はあるもののこれに成功した。さらに得られたセグメントA-Bに対して各種保護基の変換を経た後、セグメントCのカップリングを検討した。その結果、Stille反応によりこれを達成し、リウストロダクシンの全炭素骨格の立体選択的構築に成功するとともに重要中間体の立体選択的合成にも成功した。
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Research Products
(2 results)