2005 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品のラセミックスイッチを指向した効率不斉合成プロセスの開発
Project/Area Number |
16590084
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
國枝 武久 崇城大学, 薬学部, 教授 (80012649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 浩文 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10274713)
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Keywords | 屋根付き / 不斉合成 / 1,2-ジアミン / 不斉アルキル化 / 水素移動型不斉還元反応 / イミノチオエーテル / 不斉Diels-Alder反応 / 2-チアゾリン |
Research Abstract |
本研究では、反応機構を基に設計合成した高い不斉制御能を持つ"屋根付き"不斉源の効率良い調製手法を開拓し、この特異な不斉空間の利用を広く展開し、改善が強く求められているラセミ医薬品のラセミックスイッチに向けた応用展開を主目的としている。 本年度は、昨年度までに確立した"屋根付き"不斉源の簡易大量合成手法により得られたこれら人工不斉源を利用した触媒的高効率キラル合成プロセスの開発に特化して精査し、以下のような成果を得た: (1)アリルアセテートの触媒的不斉アルキル化:三環性"屋根付き"2-チアゾリジノン体より短工程で調製可能な"屋根付き"2-イミノチオエーテル体が不斉配位子として、パラジウムを利用したアリルアセテートの触媒的不斉アルキル化反応において有効に機能し、高い反応活性及びエナンチオ選択性で目的物を与える事を見出した。また、本反応においては塩基及び溶媒によってその反応性が大きく変化することも併せて明らかにした。 (2)不斉Diels-Alder反応:先述の"屋根付き"2-チアゾリジノン体より誘導合成した2-チアゾリン系二座配位子は、ルイス酸触媒不斉Diels-Alder反応における不斉配位子として、有効に機能することを見出した。また、本配位子は対応する2-オキサゾリン類似体に比しても格段に高い立体選択性を示し、本配位子の優位性を示した。 (2)水素移動型不斉還元反応:三環性"屋根付き"2-イミダゾリジノン体の開環体であるN-トシル-"屋根付き"cis型ジアミン体を不斉配位子としたRu(II)錯体は、ギ酸塩存在下アリールケトン類を高エナンチオ選択的に効率良く還元することを見出した。本触媒は既出の野依型Ru錯体よりも高活性であるとともに、立体障害の大きいアリールケトン類においては反応活性・エナンチオ選択性ともに凌駕した。
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Research Products
(4 results)