2005 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロン誘導活性アデニン誘導体の合成と受容体アフィニティリガンドの創成
Project/Area Number |
16590087
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
廣田 耕作 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90082982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐治木 弘尚 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (50275096)
前川 智弘 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (40363890)
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Keywords | インターフェロン誘導活性 / 8-ヒドロキシアデニン / 1-デアザアデニン / 3-デアザアデニン / TLR-7 / トール様受容体 / アフィニティリガンド |
Research Abstract |
インターフェロン誘導活性を有する9-bennzyl-8-hydroxyadenine(1)の発見に基づいて、標記研究課題を達成するために以下の3項目の研究計画を立てた。すなわち、(1)リード化合物(1)の2位および9位での置換基に対する構造活性相関、(2)リード化合物のデアザアナローグの合成、(3)9位への蛍光性置換基の導入によるアフィニティリガンドの創製である。その内、第一項目については昨年度に終了し、本年度は、残る第2、第3の2項目を実施した。以下にその成果を要約する。 1.9-デアザアデニン誘導体の合成: 化合物(1)は経口吸収性が低く、経口薬として開発するには問題点を含んでいる。そこで化合物(1)に比較して脂溶性の向上から薬物動態の点で優れた性質が期待される3-及び1-デアザアデニン誘導体をデザインした。合成戦略として4-アミノ-2,6-ジクロロピリジンを出発物質として、ピリジン側の置換基をデアザプリン環構築後あるいは構築前に導入するという2つのルートを考案し、合成研究を行った。まず、4-hydroxypyridineを出発原料に骨格合成を行い、後に置換基を導入する方法は最終段階での2位への置換基導入が困難なため、目的化合物の合成に至らなかった。一方、先にピリジン環に置換基を導入後デアザアデニン環へ閉環する方法は、閉環時に、閉環の方向により2種のデアザ生成物、9-bennzyl-2-butoxy-3-deazapurine及び9-bennzyl-2-butoxy-1-deazapurineの両化合物が生成した。混合物をそれぞれ分離したが、これらの化合物はこの段階では、in vitro活性を示さなかった。しかし、対応するアデニン誘導体に比較して脂溶性が向上しており、経口吸収性の改善が期待される。現在、これらの化合物の8位へのヒドロキシル基の導入を検討中である。 2.トール様受容体7(TLR-7)の蛍光性リガンドの合成: 8-ヒドロキシアデニン誘導体がインターフェロン誘導活性を示す機構としてTLR-7のアゴニスト作用によると考えられる。したがって、TLR-7の構造および機能解析を目的として、アデニン環9位に蛍光性官能基を導入した誘導体の合成を行った。ナフチルメチル基の導入ではインターフェロン誘導活性を示したが蛍光の発現は極めて低かった。また、強い蛍光を示すアントラニルメチル基やチオフェン置換誘導体では溶解性や反応性に問題があり、現時点では目的とする化合物の合成には至っていない。
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