2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の抗神経細胞死ペプチド性因子ヒューマニン療法の構築
Project/Area Number |
16590088
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋本 祐一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00317330)
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Keywords | アルツハイマー病 / 神経細胞死 / ヒューマニン / アミロイドβペプチド / APP / プレセニリン / p75ニューロトロフィン受容体 / PLAIDD |
Research Abstract |
ヒューマニンアンタゴニストの作成 我々が発見したアルツハイマー病関連神経細胞侵害刺激を抑制するペプチド性因子ヒューマニン(HN)の作用機構を明らかにする目的で、主としてHNの構造活性相関に関する研究を行った。その結果、HNのそれぞれのアミノ酸をアラニンに置換したHN変異体を作成し、二量体化には影響しないが神経保護作用を有しないHNアンタゴニスト(P3A, L12A, S14A, P19A HN変異体)を作成した。 家族性アルツハイマー病原因遺伝子誘導性神経細胞死に対するヒューマニンの効果の検討 家族性アルツハイマー病原因遺伝子であるプレセニリン-2のM239V変異体が神経細胞死を誘導することを明らかにし、HNがこの遺伝子が誘導する神経細胞死を抑制することを明らかにした。 アミロイドβペプチドが誘導する新規神経細胞死機序の解明 アルツハイマー病患者脳に沈着するアミロイドβペプチド(Aβ)がp75ニューロトロフィン受容体(p75NTR)に作用し神経細胞死を誘導することを昨年我々は報告した。今年度はp75NTRに相同性を有し、かつそれに結合し得るPLAIDDを用い、Aβが誘導する神経細胞死機序を更に検討した。その結果、PLAIDDは独自の神経細胞死シグナルを百日咳毒素感受性Gi蛋白質を介して出力することが明らかとなった。このAβ/p75NTR/PLAIDDが誘導する神経細胞死を、HNは抑制することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)