2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規ニトロアレーンの大気及び表層土壌中における分布とその遺伝毒性
Project/Area Number |
16590098
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡辺 徹志 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (90182930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 晃久 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10121568)
長谷井 友尋 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (10388027)
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Keywords | 土壌 / 遺伝毒性 / ニトロアレーン / 大気 / 変異原性物質 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、非常に強い変異原性を示した大阪府高槻市の表層土壌抽出物から主要な変異原性物質として強力な変異原活性を有するジニトロピレン(DNP)類と3,6-ジニトロベンゾ[e]ピレン(3,6-DNBeP)を検出した。今年度、我々は大阪府及び愛知県において採取した表層土壌中の主要な変異原性物質の構造を明らかにすることを目的として検討を行った。大阪府高槻市、泉大津市、愛知県名古屋市及び碧南市において採取した表層土壌からソックスレー法により得た抽出物はS.typhimurium TA98株に対しS9 mix非存在下で、1,240〜233,000 revertants/mg抽出物の変異原性を示した。TA98に対する変異原性を指標として、土壌抽出物からSephadex LH-20カラム、次いでシリカゲル中圧カラムにより精製した変異原性画分をODS中圧カラムで分画することにより変異原性画分Fr.1〜5を得た。各画分の土壌抽出物の変異原性に対する寄与率はFr.1:45%、Fr.2:15%、Fr.3:25%、Fr.4:5%、Fr.5:10%であった。各画分をCOSMOSIL5C_<18>-AR-IIカラム、次いでLuna5μPhenyl-Hexylカラムを用いたHPLCにより分画した。Fr.1及びFr.3を分画した結果、Fr.1及びFr.3の変異原性がそれぞれDNP類及び3,6-DNBePによるものであることがわかった。Fr.2、Fr.4、Fr.5をHPLC分画することにより、各画分から1種類ずつ主要な変異原性物質を単離した。それらは質量分析の結果、いずれもニトロアレーンであると予想された。各変異原性物質のHPLCの保持時間は、これまでに環境中から検出されているニトロアレーンのそれと異なっていた。
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Research Products
(1 results)