2005 Fiscal Year Annual Research Report
黄砂のTh1・Th2免疫系および経口免疫寛容に与える影響
Project/Area Number |
16590099
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
吉野 伸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00260729)
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Keywords | 黄砂 / 免疫寛容 / Th1 / Th2 / 食物アレルギー / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
黄砂は中国黄河流域ゴビ砂漠や黄土高原に存在する直径5〜50ミクロンの微粒子で、春先低気圧の上昇気流によって空高く巻き上げられ、偏西風に乗って日本に大量が上陸する。黄砂の健康に与える影響は危惧されているもののその研究は少ない。我々はこれまでマウスを実験動物として用い、食物アレルギー発症阻止に重要な役割を果たしている経口免疫寛容が黄砂によって阻止されることを見出した。本研究では黄砂のTh1およびTh2免疫系に与える影響について検討した。抗原特異的免疫応答は実験動物DBA/1Jマウスに抗原卵白アルブミン(OVA)をアジュバントcomplete Freund's adjuvant(CFA)とともに皮下注射することによって誘導した。黄砂(1、10、100μg)はOVAの免疫前5日から1日1回経口投与した。免疫後21日に抗原特異的T細胞の増殖反応を^3H-thymidineの細胞内取り込みによって定量化した。また、血清中の抗OVA IgG抗体を測定した。Th1免疫反応としては抗OVAIgG2aおよびIFN-γ産生を指標とした。Th2免疫反応の指標としては抗OVAIgG1およびIgE,またIL-4を測定した。その結果、0VAに対するT細胞の増殖反応に対しては有意差はみられなかったが、抑制される傾向がみられた。抗OVAIgG、IgG2a,およびIgG1抗体産生に対する黄砂の影響はみられなかった。しかし、抗OVA IgE産生は黄砂によって著名に増加した。黄砂のIFN-γ産生に対する影響はみられなかったが、IL-4産生は促進される傾向がみられた。以上の結果から、黄砂暴露によってTh2免疫応答は増強される可能性がある。Th1反応に対する黄砂の影響はほとんどないと思われる。今後、黄砂のTh2優位のアレルギーに対する黄砂の詳細な検討が必要である。
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Research Products
(6 results)