2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポリ塩化ビフェニルの水酸化代謝機構の動物種差および代謝物のヒト曝露実態
Project/Area Number |
16590101
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Research Institution | Daiichi College of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
原口 浩一 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (00258500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 恵理 第一薬科大学, 薬学部, 助手 (80412550)
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Keywords | PCB / 水酸化代謝物 / ヒト / 血液 / 動物種差 / カテコール |
Research Abstract |
1 PCBの代謝機構と動物種差 PCBの代謝様式は投与動物に違いがあり、水酸化体と母化合物との関係を明らかにする目的で、カネクロール体生成のための母化合物の構造推定を行った。ハムスター体内で生成したカテコール体の母化合物の共通骨格は2,5-または2,3,6-trichloro骨格を有するPCBで、18種PCBから得られるカテコール体(dimethoxy体)すべての合成と、血液の特徴的な残留パターンを明らかにした。 2 カテコール体の生成機序 ハムスター体内でカテコール体の生成量が高いPCB101を用いた代謝を検討した。PCB101および3-OH-PCB101を基質としてラット肝ミクロソームによるin vitro代謝を行った結果、カテコール体は3-OH-PCB由来で生成することが示唆された。 3 ヒト血液中の残留PCB水酸化体の同定 福岡県住民から得られたヒト血液中のPCBおよびPCB代謝物(水酸化体)をECNI/GC-MSにより定性、定量した。主代謝物は4-OH-2,3,6,3',4'-pentaCB,4-OH-2,3,6,2,4,5-hexaCB,4-OH-2,3,5,6,2',4',5'-heptaCBで代謝物濃度はPCB濃度の約1/10〜1/25レベルで残留した。PCB濃度とPCB代謝物濃度の比が男女別、年齢別で比較されたが、有意差は見られなかった。ヒト血清ではカテコール体の検出はできなかったが、水酸化代謝物組成はラットやモルモットと同様のパターンを示した。
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