2004 Fiscal Year Annual Research Report
薬物の胎盤透過に関与するヌクレオシドトランスポーターの同定および機能評価
Project/Area Number |
16590104
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菅原 満 北海道大学, 病院, 助教授 (60332467)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝巳 北海道大学, 病院・教授 (30166144)
井関 健 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40203062)
平野 剛 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (00322826)
|
Keywords | ヌクレオシドトランスポーター / 胎盤透過 / リバビリン |
Research Abstract |
ヒト絨毛腺癌由来のBeWo細胞を用いた以前の検討により,抗ウイルス薬であるリバビリンがhCNT3とhENT1によって輸送されることが示唆された.しかし,hENT1によるリバビリン取り込みのKm値:11.7mMが赤血球を用いて算出された文献値420μMと大きく異なった.そこで,hCNT3およびhENT1のクローンを用いてリバビリン輸送に関する詳細な検討を行った.hCNT3安定発現細胞を用いて算出されたhCNT3によるリバビリン輸送のKm値は22.9μMとなり,BeWo細胞での取り込み実験から得られた16.7μMとほぼ一致した.一方,hENT1を発現させたXenopus Oocyteを用いてリバビリンの取り込み実験を行った結果,取り込みの濃度依存性より得られたKm値は3.35mMとなり,hENT1はリバビリンに対して親和性が低く,BeWo細胞での実験結果を裏付ける結果となった. リバビリンを輸送すると予想されるNTとして他にhCNT2,hENT2があげられる.そこでこれらのNTに関して輸送活性の検討を行った.その結果,hENT2はhENT1と同程度の輸送活性であったのに対し,hCNT2はENTに比べて輸送活性が高かった.そこでhCNT2を介する輸送の濃度依存性を検討した結果,リバビリン取り込みのKm値は17.2μMと算出された.常用量経口投与後のリバビリンの血中濃度は約10μMであるため,リバビリンの標的臓器である肝臓をはじめとする臓器移行にはENTよりもCNTを介した輸送が優位である可能性が示唆された. CNT: Concentrative nucleoside transporter ENT: Equilibrative nucleoside transporter
|