2004 Fiscal Year Annual Research Report
免疫抑制薬の中枢性副作用発現の解明-アドレノメデュリンと血液脳関門機能
Project/Area Number |
16590111
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柴田 和彦 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (80170893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味田 裕 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (00088709)
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Keywords | アドレノメジュリン / 血液脳関門 / 輸送蛋白 / 免疫抑制薬 / 内皮細胞 / グリア細胞 |
Research Abstract |
本研究では、まずアドレノメジュリン(AM)の血液脳関門機能調節への関与の可能性を明らかにすることを目的とした。本年度は、AMの血液脳関門機能への関与を分子レベルで明らかにするため内皮細胞での各種輸送蛋白の発現に対するAMの影響を検討した。 まず初めに培養細胞を用い、以下の実験を行った。血液脳関門は脳血管内皮細胞とアストロサイトから構成されているので、in vitroでヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用い、まず内皮細胞におけるP-糖蛋白(mdr-1 mRNA)の発現をRT-PCR法によりその存在を確認した。 さらに、内皮細胞に対するAM刺激による輸送蛋白mdr-1 mRNAの発現量の変化をノーザンブロット法にて、検討した。その結果、AM(10^<-8>〜10^<-6>M)でHUVECを6時間刺激した結果、mdr-1 mRNAの発現はAMの濃度依存的に増加する傾向が認められた。また、免疫抑制薬(タクロリムス)による内皮細胞でのAMならびにその受容体発現の変化を併せて検討した。その結果、AM mRNAの発現が増加する傾向が認められた。また、AM受容体の構成成分であるCRLRとRAMP1の2つのmRNAの発現を検討した結果、RAMP1のmRNA量の発現増加が認められた。一方、CRLRの発現は著明な変化は認められなかった。今後さらに例数を増やし検討する必要がある。 以上の結果はAMが輸送蛋白の発現を調節し、薬物の汲み出し機構を亢進して免疫抑制薬などの薬物の脳内移行を制限するように働く可能性が考えられるが、次年度は、実際の血液脳関門と同様なグリア細胞と内皮細胞による共培養系を用い、実際の薬物移行性との関連について検討する予定である。
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Research Products
(1 results)