2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590115
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
平野 和行 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90057365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 茂之 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (40176665)
井口 和弘 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (10295545)
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Keywords | 薬剤性肝障害 / HepG2細胞 / SSH / ビグアナイド剤 / メトホルミン / ブホルミン / GAPDH / NADH-ubiquinone oxidoreductase |
Research Abstract |
本年度は、肝障害誘発薬剤としてビグアナイド剤であるメトホルミンおよびブホルミンを用いた。メトホルミンおよびブホルミンを肝臓由来培養細胞株HepG2細胞に作用させた時に発現変化する遺伝子群をサプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーション(SSH)法を用いて検索した結果、発現量が減少する遺伝子としてglyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenase(GAPDH)およびNADH-ubiquinone oxidoreductaseを同定した。そこで、メ、トホルミンおよびブホルミンを処理した際の両遺伝子の発現変化をリアルタイムRT-PCR法により検討した結果、GAPDH発現量は処理48時間後において未処理細胞の10%、NADH-ubiquinone oxidoreductaseは40%にまで経時的に減少することを見出した。さらに、メトホルミンおよびブホルミン処理後のGAPDHタンパク質量および酵素活性は有意に低下することを観察した。また、GAPDHの補酵素であるNAD+の細胞内レベルの経時的な減少が認められた。NADH-ubiquinone oxidoreductaseはミトコンドリア電子伝達系の複合体Iであるため、その発現低下により細胞内ATP含量が変化することが予想された。そこで、両薬物処理後のATP量の測定を行ったところ、メトホルミンおよびブホルミンは細胞内ATP含量の低下を引き起こすことを見出した。以上の結果から、ビグアナイド剤による肝障害発症の一因として、GAPDHとNADH-ubiquinone oxidoreductaseの発現低下の関与が推察された。
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Research Products
(1 results)