2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規バイオマーカーに基づく免疫抑制剤の薬物動態・薬力学解析と新しい治療概念の提案
Project/Area Number |
16590121
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三原 潔 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00281444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 稔 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50197513)
谷川原 祐介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30179832)
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Keywords | 臓器移植 / 免疫抑制剤 / バイオマーカー / cDNAマイクロアレイ / ラット / 拒絶反応 / 薬物動態・薬力学解析 |
Research Abstract |
針生検に代わる、低侵襲、迅速、頻回にモニタリング可能、かつ信頼性の高い拒絶反応のバイオマーカーを開発すると同時に、免疫抑制剤の治療効果を反映するバイオマーカーを開発することを目的に、ラット心移植および肝移植モデルにおいて血液中の遺伝子発現をcDNAマイクロアレイにて網羅的に解析し候補遺伝子の探索を行った。また、定量的PCR法により発現量変化の確認を行った。まず心移植モデルでは、急性拒絶反応により発現が大きく誘導され、かつ免疫抑制剤シクロスポリンの投与によりその発現誘導が完全に抑制される6個の遺伝子を発見した。また、発現誘導の程度は移植心の生存期間と相関した。さらに、薬力学的解析を行い、免疫抑制剤の血中濃度と発現量との間にも相関関係が見られた。これらの遺伝子は拒絶反応および免疫抑制剤の薬効のマーカーとして有用と考えられるため特許出願した(特願2005-006727)。一方、肝移植モデルでも急性拒絶反応により発現が大きく誘導され、かつ免疫抑制剤シクロスポリンの投与によりその発現誘導が完全に抑制される4個の遺伝子を発見した。その内ひとつの遺伝子に関して、急性拒絶を経験した生体肝移植症例において経時的に発現量を測定したところ、拒絶と診断される2日前に発現上昇することが確認された。これらの遺伝子は急性拒絶および免疫抑制剤の薬効のバイオマーカーとして有用と考えられるため特許出願した(特願2005-006728)。
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Research Products
(6 results)