2004 Fiscal Year Annual Research Report
分枝形態形成メカニズムの研究:上皮組織形態の多様性の理解を目指して
Project/Area Number |
16590151
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 講師 (10185887)
|
Keywords | 顎下腺 / 形態形成 / 基底膜 / ラミニン / 増殖因子 / 微細構造 |
Research Abstract |
上皮系組織の発生では、上皮細胞集団基底側に分岐部が形成され、その結果生じた上皮集団基底の凸部が出芽・増殖するという分枝形態形成の過程がくり返される。上皮組織形態の多様性は、この分岐部形成と出芽形成のバランスにより創りだされる。種々の液性増殖因子と細胞外マトリックス成分を介した情報伝達系を介した上皮組織と間充織との相互作用がこの過程に深く関わる。平成16年度の研究では、ラミニンα5鎖由来の機能配列LVLFLNHGH(A5G77fペプチド),PI-3キナーゼ阻害剤(LY-294002)、FGFR1受容体チロシンリン酸化阻害剤(SU-5402)をマウス顎下腺器官培養系に添加する方法で、各シグナル系の阻害が培養顎下腺分枝形態形成に及ぼす影響を検討した。各阻害剤は、上皮が多数の分岐部を形成するものの凸部の増生が抑制(A5G77fペプチド)、分岐回数が減少するものの終末部の形態は球形に保たれる(LY-294002)、分岐回数が減少するとともに終末部形態も棒状に変化(SU-5402)とそれぞれ特徴的な形態異常を引き起こすことが判明した。現在、これらの上皮細胞の光学顕微鏡ならびに透過型電子顕微鏡による解析を実施中である。これに際して活用予定の加圧凍結法による急速凍結/凍結置換試料作成法に付き予備実験をおこなったが、ことに高倍率での観察にたえうるような満足な凍結状態が得られず、試料作成法の検討を併せて実施する予定である。
|
Research Products
(1 results)