2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590162
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
桑木 共之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80205260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下山 恵美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (10206253)
中村 晃 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40343090)
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Keywords | 視床下部 / 防衛反射 / オレキシン / ストレス / ノックアウトマウス / トランスジェニックスマウス / 国際情報交換 / 米国 |
Research Abstract |
本研究の目的は、防衛反応の表出に関与するオレキシンおよびそれ以外の神経伝達物質の役割を明らかにする事であった。オレキシン以外の神経伝達物質には2つの候補がある。すなわち、1)オレキシシ含有神経細胞に共存するオレキシン以外の神経伝達物質、2)オレキシンを含有しない神経細胞の伝達物質、の2つである。本研究では1)の可能性に関して検討した。具体的には、オレキシンプロモーターに細胞死を誘発する遺伝子を接続したDNAを導入することによってオレキシン含有神経細胞を特異的に破壊したトランスジェニックマウスを用い、各種の刺激によって防衛反応を惹起させた時の循環・呼吸等のパラメーターを、正常対照マウスならびに以前に得たオレキシンノックアウトマウスでの結果と比較した。視床下部脳弓周囲領域(いわゆる防衛領域)の刺激による血圧・心拍数・呼吸数の増加反応がオレキシン含有神経細胞特異的破壊マウスでは野生型マウスよりも有意に減弱していたが、その減弱の程度はオレキシンノックアウトマウスの場合とほぼ同程度であった。また、安静時の血圧低下の程度もオレキシン含有神経細胞特異的破壊マウスとオレキシンノックアウトマウスで同程度であった。これらの結果から、オレキシン含有神経細胞に共存する神経伝達物質は、調べた限りの防衛反応の表出および基礎血圧の決定に果たす役割は低いものと結論された。そこで、防衛反応を上述のパラメーターとは別の視点からも観察する事にし、現在も研究が進行中である。進行中の研究内容を以下に列挙する。1)防衛反応時の内臓領域と骨格筋の血流量を測定し内臓領域から骨格筋への血流配分のシフトを評価する。2)ストレス誘発鎮痛反応の程度を3種のマウスで比較する。3)防衛反応時の動脈圧受容器反射抑制・化学受容器反射亢進の程度を比較する。4)ストレス誘発攻撃行動を比較する。
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Research Products
(5 results)