2004 Fiscal Year Annual Research Report
膵導管細胞における管腔膜HCO_3^-コンダクタンスの特性と分子実体
Project/Area Number |
16590164
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 洋 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教授 (90303651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 孝晴 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (20135388)
成瀬 達 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50180550)
相馬 義郎 大阪医科大学, 医学部, 助手 (60268183)
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Keywords | 膵導管細胞 / 管腔膜 / モルモット単離小葉間膵管 / HCO_3^-輸送 / アルコール / cut-off effect / 慢性膵炎 / CFTR |
Research Abstract |
モルモットの膵臓から単離した小葉間膵管を用いて、膵導管細胞の管腔膜を介するHCO_3^-輸送メカニズムの解析を開始した。管腔を表層とは別個に灌流し、細胞内pH、Cl^-濃度、電位を測定するシステムを確立した。 アルコールが、膵導管細胞機能に与える影響を検討するために、単離小葉間膵管の溶液分泌と細胞内Ca^<2+>濃度に対するethanolの影響を調べ、他の短鎖アルコール(methanol、propanol、butanol)と比較した。methanolとethanolは、セクレチン刺激下でCa^<2+>濃度を上昇させ、溶液分泌を増加させた。propanolとbutanolは、逆に、Ca^<2+>濃度を低下させ溶液分泌を抑制した。"cut-off effect"が見られたことから、アルコールは膵導管細胞のイオンチャネルに直接作用する可能性が高いことがわかった。 CFTR Cl^-チャネルは、膵導管細胞の管腔膜に発現し、その機能異常はHCO_3^-_分泌の傷害を引き起こし嚢胞線維症や一部の慢性膵炎の発症に関わっている。慢性膵炎患者のCFTR遺伝子変異と多型を解析した。アルコール性では、CFTRの蛋白量が減少する(TG)12ホモ接合体の頻度が健常群に比べて高かった。特発性では、CFTR機能が低下するV470ホモ接合体にQ1352HまたはR1453W多型を合併する頻度が高かった。CFTR機能を評価するために、汗中Cl^-濃度の簡便な測定法を開発した。片側の拇指球の自然発汗率をデジタル発汗計で測定し、対側の拇指球より汗を採取しCl^-量をキャピラリー電気泳動により測定した。慢性膵炎患者では健常人に比べて汗のCl^-濃度が有意に高かった。日本人の慢性膵炎の発症にCFTRの機能低下が関与している可能性が示された。
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Research Products
(5 results)