2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム構築から捉えた発生段階特異的ヒト・グロビン鎖合成スイッチング機構の解析
Project/Area Number |
16590181
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
木山 裕子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)
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Keywords | ヒト・グロビン / 転写制御 / スイッチング / ベントDNA / ゲノム / クロマチン |
Research Abstract |
ヒト・グロビン遺伝子のLocus Control Region(LCR)は、少なくとも4つの赤血球特異的DNase I hypersensitive site(HS1-4)から構成されている。赤血球特異的エンハンサー結合タンパク質NF-E2は、LCRのなかで最も強力なエンハンサー活性を持つHS2領域に結合し、その領域のヌクレオソーム構造をリモデリングすることで転写制御を行っているといわれている。これまでの研究の継続として、本年度もこのHS2領域を中心に実験を行った。現在までの実験で判明したことは、1)NF-E2結合部位を持つヌクレオソームは特徴的な回転、並進ヌクレオソーム位相を示した。2)NF-E2結合部位は近傍領域よりもピストン8量体タンパク質への親和性は低いが、一方DNase Iやmicrococcal nucleaseへの反応性は高かった。3)クロマチン免疫沈降法により本結合モチーフは外部から加えたNF-E2にも認識された。以上の結果から、NF-E2はクロマチンがリモデルする以前、つまりクロマチンが凝縮状態の時に、すでにヌクレオソーム上にあるモチーフを認識し結合しておりグロビン遺伝子発現の活性化を制御していることが示唆された。我々がすでに同定、報告したLCRのHS2領域のDNA折れ曲がり部位とヌクレオソーム位相の結果を統合すると、HS2領域から2個のヌクレオソーム長の間隔で存在するDNA折れ曲がり構造を持つキーヌクレオソームが、スイッチング発現に即したクロマチン構造を決定していると考えられる。
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Research Products
(2 results)