2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム構築から捉えた発生段階特異的ヒト・グロビン鎖合成スイッチング機構の解析
Project/Area Number |
16590181
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
木山 裕子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)
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Keywords | ヒト・グロビン遺伝子 / 転写制御 / 遺伝子発現スイッチング / 折れ曲がりDNA / クロマチン / ゲノム構築 |
Research Abstract |
ヒト・グロビン遺伝子β遺伝子群のLocus Control Region (β-LCR)は、少なくとも4つの赤血球特異的Dnase I hypersensitive site (HS 1-4)から構成されている。赤血球特異的エンハンサー結合タンパク質NF-E2は、LCRのなかでも最も強力なエンハンサー活性をもつHS2部位領域に結合し、その領域のヌクレオソーム構造をリモデリングすることで転写制御を行っていることを現在まで証明してきた。平成17年度もこのHS2領域におけるクロマチン構造を中心に継続実験を行ったので報告する。ヌクレオソーム位相とエンハンサー活性の制御は、折れ曲がりDNA構造を含むヌクレオソームが領域のヌクレオソーム整列化のキー・ヌクレオソームとして機能し、これとエンハンサー因子との距離に依存してなされていることが分かった。高次クロマチン構築の第一段階は2個のヌクレオソーム(dinucleosome)形成であることから、dinucleosomeは高次クロマチン構造の解析の基本となる情報基本単位と考えられる。クロマチン構築機構を解析する手段として、我々はdinucleosome DNAライブラリーを作成しその解析を行った。ヌクレオソーム再構築法、Southern blotting, Nucleosome mapping, Oligonucleotide bending assay等の手技を用いた結果、クロマチン構築に基本となるdinucleosome形成情報はゲノム」DNAに埋め込まれており、その形成情報にはキー・ヌクレオソームが必須因子であること、よって、キー・ヌクレオソームの詳細な解析は遺伝子発現に深く関わるクロマチン構築機構の基本的理解に有用である知見を得た。今後も遺伝子発現スイッチング機構とクロマチン構造との関連について研究を遂行していく計画である。
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Research Products
(2 results)