2004 Fiscal Year Annual Research Report
薬物ターゲットとしてのNMDA受容体-PDZ蛋白質複合体の機能解析
Project/Area Number |
16590194
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山田 康枝 山口大学, 医学部, 講師 (00166737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 誠 山口大学, 医学部, 教授 (70223237)
木村 佳弘 山口大学, 医学部, 助教授 (90301308)
高 知愛 山口大学, 医学部, 助手 (70314797)
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Keywords | NMDA受容体 / PSD-95 / GKAP / SAP102 / MAGUKs / PDZ / PKC / oocyte |
Research Abstract |
NMDA受容体-PDZ蛋白質複合体の機能解析をアフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いて行った。 NMDA受容体へのPSD-95-GKAP複合体の効果を検討した結果、NR1/NR2B、NR1/NR2Cに複合体による電流応答の増加がみられた。NR1/NR2A、NR1/NR2DではPSD-95による活性の増強がみられたが、PSD-95-GKAP複合体ではみられなかった。NR1/NR2B、NR1/NR2Dサブタイプ受容体のPSD-95よる電流応答の増加には、N末端部の2つのシステインが必須であった。また、NR1/NR2B、NR1/NR2Cに見られるPSD-95/GKAP複合体による活性化にもN末端部のシステインが必須であった。PKCによるNR1/NR2A、NR1/NR2Bサブタイプ受容体のチャネル活性促進に対するPSD-95の抑制効果には、GKAPは影響を与えなかった。PSD-95及びPSD-95-GKAP複合体の制御がサブタイプによって異なっていることが明らかとなった。 次に、PSD-95以外のMAGUKs(membrane associated guanylate kinases)ファミリーの蛋白質で、脳の発達の初期に多く発現するSAP102のNR1/NR2Bへの効果を検討したところ、SAP102はPSD-95と同様にチャンネル活性の増強とPKCによる活性化の抑制、グルタミン酸に対する感受性の低下を示した。しかし、SAP102-GKAP複合体によるチャンネル活性の増強はみられなかった。これらの結果から、MAGUKsファミリーの蛋白質も個々に異なる特性を示すことが明らかとなった。NMDA受容体-PDZ蛋白質複合体では、受容体のサブタイプやPDZ蛋白質によってその受容体に対する効果がことなっていることから、薬物の効果は、部位や発達段階で異なる可能性が示された。
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Research Products
(1 results)