2005 Fiscal Year Annual Research Report
消化管運動改善薬の創製を標的としたヘテロ2量体GABA-B受容体の解析
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16590200
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
谷山 紘太郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70030898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上園 保仁 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (20213340)
林 日出喜 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (10218589)
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Keywords | GABA-B受容体 / ヘテロ2量体 / GABA-B1サブユニット / GABA-B1サブタイプ / GABA-B2サブユニット / 消化管運動 / 消化管運動 / 共焦点レーザ顕微鏡 |
Research Abstract |
消化管に存在するGABA受容体のうち、GABA-B受容体を標的にした消化管運動改善薬の創製を目的にした。本年度は、(1)GABA-B1サブタイプの機能的特性を解析すること、(2)二量体GABA-B受容体を可視化すること、(3)GABA-B受容体作用薬の逆流性食道炎治療薬としての可能性を検討すること、を研究の目的とした。 (1)発現系を用いた実験で、サブユニットを単独に発現した場合には、GABA-Bとしての機能は見られなかった。GABA-B2とGABA-B1とを共発現した場合の反応の強さは、1a=1b>1c>1dで、二種類の蛍光蛋白標識を用いた発現系での共焦点レーザー顕微鏡による観察で、GABA-B1の1aから1dまでとGABA-B2は細胞膜上で複合体を形成することが確認された。1eは機能発現を示さなかったにも拘らず、GABA-B2と複合体を形成したことは、1eの機能が他のB1サブユニットの機能と異なるが、その機能については明らかにできなかった。(2)ヒト食道下部括約筋において、GABA-B1の1dを除く6種類とGABA-B2が存在することがRT-PCR法で明らかになった。さらに、二重免疫染色法で、食道下部の粘膜に存在する細胞膜上に、括約筋に分布する神経細胞膜上にGABA-B1とGABA-B2が二量体として存在することが明らかになった。これらの結果から、GABA-B受容体作用薬は逆流性食道炎の治療薬として期待できる。GABA-B1サブユニットの組織特異性の解析によって、消化管選択的GABA-B受容体作用薬の創製が可能であることを明らかにした。
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