2005 Fiscal Year Annual Research Report
ATP受容体を介した血管透過性調節機構に関する研究(薬理学的DDSを目指して)
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16590211
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
篠塚 和正 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (50117777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 一基 武庫川女子大学, 薬学部, 助教授 (20299093)
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Keywords | ATP / 血管内皮細胞 / P2Y1受容体 / 血管透過性 / 内非細胞形態変化 / 細胞内Ca^<2+> / 腫瘍細胞転移 / DDS |
Research Abstract |
1.ATP受容体作動性血管透過性調節機構の血管部位差の比較: (1)ヒト培養冠動脈内皮細胞及びヒト培養臍帯静脈内皮細胞、ラット培養尾動脈内皮細胞及びラット培養胸部大動脈内皮細胞において、主に、P2Y1受容体を介する形態調節機構が存在し、細胞内Ca^<2+>動員機構と連関している事、このような形態調節が透過性調節に関係する事を明らかにした。現段階では、有意な部位差は認められなかった。 (2)麻酔下のラットにFD-4を静脈内投与してその血中濃度を測定したところ、FD-4投与直前にATP受容体作動薬を静脈内投与する事により、その血中濃度が有意に減少する事を明らかにし、ATP受容体作動薬によるFD-4の分布促進作用の可能性を示唆した。 2.ATP受容体の血管透過性調節機構と他の受容体の膜下クロストークの可能性の解明: (1)ラット尾動脈組織灌流標本において、ATP受容体作動薬が灌流液中のFD-4の透過性を有意に亢進する事、この作用がP2Y1受容体拮抗薬のPPADSにより有意に拮抗される事を明らかにした。 (2)同標本において、炎症性オータコイドのブラジキニンが灌流液中のFD-4の透過性を有意に亢進する事、この作用にP2Y1受容体拮抗薬が影響しない事を明らかにし、内因性ATPのクロストークの可能性のない事を示唆した。 3.腫瘍細胞のATP作動性透過性調節機構に関する基礎的検討: (1)ヒト培養臍帯静脈内皮細胞にヒト繊維肉腫細胞(HT-1080)を共存させると内皮細胞内Ca^<2+>レベルのオシレーションを伴う上昇が観察される事、これがPPADSで拮抗される事を明らかにした。 (2)B16F1マウスメラノーマ細胞がウサギ血小板の凝集を促進する事、この作用にP2Y1受容体が関与している事を明らかにした。 以上の結果より、血管内皮細胞系には細胞内Ca^<2+>レベル上昇と形態変化に連関したプリン作動性の透過性制御機構が存在する事、この制御機構はin vivoのレベルでも機能する事を明らかにし、腫瘍細胞は血管内皮細胞及び血小板のP2Y1受容体をその転移プロセスに利用している可能性を示唆した。
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Research Products
(6 results)