2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規Na^+駆動性カチオントランスポーターの同定とその機能的・病態的役割の解明
Project/Area Number |
16590213
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
岩本 隆宏 福岡大学, 医学部, 講師 (20300973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
右田 啓介 福岡大学, 医学部, 助手 (10352262)
荒井 勇二 国立循環器病センター(研究所), バイオサイエンス部, 室長 (30202724)
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Keywords | Na^+ / Ca^<2+>交換輸送体 / イオントランスポーター / 発現系 / 薬理学 / 生理学 |
Research Abstract |
本研究では、Na^+代謝異常が引き起こす病態機序(高血圧、動脈硬化、虚血性疾患、糖尿病、腎疾患)にかかわる新規なNa^+駆動性カチオントランスポーターの探索を実施した。具体的には、Na^+/Ca^<2+>交換輸送体(NCX)スーパーファミリーに共通の特徴的リピート構造(α領域)に注目し、この特殊配列を用いた遺伝子検索から、新規な候補遺伝子を単離することに成功した。この候補遺伝子を発現ベクターに挿入し、哺乳動物細胞およびアフリカツメガエル卵母細胞に発現させたところ、Na^+およびK^+依存性のCa^<2+>輸送活性を有することを確認した(当初、Ca^<2+>以外のカチオン輸送活性を見いだしていたが、Ca^<2+>輸送活性が最も高いことが判明した)。さらに、この候補遺伝子の特異抗体を作製し臓器分布を調べたところ、心筋・血管平滑筋などの筋細胞に高発現し、また他の臓器にも発現レベルは低いものの普遍的に発現していることが分かった。この候補遺伝子は、既存のNa^+/Ca^<2+>/K^+交換輸送体(NCKX)とアミノ酸配列が相同な領域が存在することから、新規NCKXアイソフォームの1つである可能性が高いと考えられた。そこで、この新規NCKXアイソフォームのノックアウトマウスおよび心血管系特異的なトランスジェニックマウスの作製に取り掛かった。現在、これらの遺伝子改変マウスを確立中であるが、今後、これら遺伝子改変マウスを用いて心筋細胞および血管平滑筋細胞における新規NCKXアイソフォームの機能的役割を解明し、さらにNa^+代謝異常が引き起こす病態機序とのかかわりについて追求したいと考えている。
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Research Products
(8 results)