2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590215
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
酒井 正春 北海道大学, 医学部, 教授 (50162269)
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Keywords | 軟骨細胞 / 細胞分化 / 転写因子 / Maf / 結合組織増殖因子(CTGF) / GST-P / C / EBPα / DNAマイクロアレー |
Research Abstract |
1.c-MafによるCTGF遺伝子発現活性化機構:c-maf遺伝子を線維芽細胞C3H10T1/2に導入するとCTGF mRNAの強い誘導が見られることや、c-maf KOマウス由来の線維芽細胞ではCTGFの発現が野生株に比べ低いことから、軟骨におけるc-Mafの標的遺伝子がCTGF遺伝子であることが示唆された。詳しい解析の結果、CTGFプロモーター、およびその下流領域にMafが結合し活性化することを示し、MafによるCTGF遺伝子の活性化はTGF-βによる活性化とは異なった機構であることを明らかにした(Biochem Biophys Res Commun.339,1089-1097(2006))。 2.DNAマイクロアレー法を用いたc-Maf標的遺伝子の探索と軟骨分化の転写因子カスケードの解析:c-maf KOマウスで特異的に発現が減少する遺伝子を、DNAマイクロアレー法で解析した結果、軟骨細胞の分化に重要な線維芽細胞増殖因子(Fgf18、Fgf9)periostine遺伝子や軟骨で働く細胞外基質の遺伝子などの発現低下が見られた。これらの遺伝子を解析中であるが、Fgf18遺伝子ではそのイントロンにc-Maf結合配列がありMafによって強く活性化されることがわかった。 3.Nrf2/MafKによって活性化されるグルタチオンS-トランスフェラーゼP(GST-P)遺伝子の転写抑制機構:ラットGST-P遺伝子は肝発癌に伴って発現される。この活性化はNrf2/MafKによる(Biochemical J.380,515-521(2004))が、正常の肝細胞では発現が強く抑制されている。正常肝ではC/EBPαがNrf2/MafKの結合するエンハンサーGPE1に競合的に結合することにより抑制され、発癌の初期にC/EBPαの発現が停止することによりGST-Pが発現される機構を明らかにした(J.Biol.Chem.印刷中)。
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