2004 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸中枢異常や概日リズム異常を呈する、転写因子MITF変異マウスの病態の解析
Project/Area Number |
16590216
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 和久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30311559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴原 茂樹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70206142)
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Keywords | MITF / 転写因子 / 分化 / 概日リズム / 換気応答 / メラノサイト / Prostaglandin D2 synthase |
Research Abstract |
Mitf-black eyed white(Mi-bw)マウスは、メラノサイトの分化に必須な転写因子MITFの発現が著しく障害されているために、メラノサイトが欠損し白い体毛となる。 我々はMITFやメラノサイトの新たな生理的役割を探索するためにMi-bwマウスの様々な生理機能を解析した。その結果、夜間運動の亢進や、低酸素刺激による過剰な換気応答を発見した。正常なマウスでは夜間(暗期)に活発化した運動が夜間後期に減少するが、Mi-bwマウスでは夜間後期の運動の減少が認められなかった。この症状から、Mi-bwマウスには何らかの概日リズムの異常があると予想される。またマウス用ボディープレスチモグラフにより、無麻酔・無拘束下でマウスの即時(刺激後20秒以内)換気応答の解析を行った結果、Mi-bwマウスの安静覚醒時の呼吸数が正常なマウスに比べ有意に少なく、低酸素および高炭酸ガス刺激に対して過剰応答した。これらの症状はMITFやメラノサイトの知見から予想しえない。上記症状が中枢神経に起因する可能性もある。 さらに我々はMITFの標的遺伝子を網羅的に探索するために、Wild typeとMi-bwマウスの皮膚との間でcDNA microarray法を行った。その結果、メラノサイトを欠損したMi-bwの皮膚において発現が減少した多くの遺伝子が同定された。その中にはメラノサイトの新たな生理機能を伺わせる、予想外の遺伝子も存在した。例えばProstaglandin D2 synthase(brain-type)(PGDS)が同定された。PGDSは睡眠の調節に関与することが知られており、夜間運動の亢進の原因である可能性がある。我々はPGDSの発現がMITFによって制御される、新規メラノサイトマーカーであることを明らかにした。 以上より、転写因子MITFやメラノサイトの新たな生理的役割が示唆された。
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