2004 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞特異的な細胞周期の存在とその分子基盤の解明
Project/Area Number |
16590222
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浦野 健 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70293701)
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Keywords | 染色体分離 / 細胞周期 / Aurora / プロテインキナーゼ / ヒストンH3リン酸化 / ヒストンH3メチル化 / 修飾特異的モノクローナル抗体 / 染色体パッセンジャータンパク質 |
Research Abstract |
ショウジョウバエや酵母において染色体分離の調節蛋白質として同定されたプロテインキナーゼのヒトホモローグであるAurora-A,Aurora-BおよびAurora-Cは様々ながん組織においてDNA増幅や蛋白質の発現増強が高率に認められている。またAurora-Aにおいては造腫瘍能を有することも報告されている。本研究では、がん特異的に発現が亢進しているAurora-Aがどのように時間的・空間的・物理的にがん特異的細胞周期を制御しているのかを解明するため、その分子基盤を検討した。 ・AuroraファミリーをGFP融合タンパク質として発現する細胞株を樹立しタイムラプス観察を行い、時間的空間的配置を決定した。(研究業績#2) ・Aurora-Aおよび-Bのリン酸化コンセンサス配列を決定した。分裂期にリン酸化されえることが知られているヒストンH3の10および28番目のセリンがAurora-Bによりリン酸化されることを照明した(研究業績#5)。 Aurora-Aおよび-Bは自己リン酸化により活性化され、オカダ酸感受性のフォスファターゼにより活性化されるが分裂期にはフォスファターゼがCdk1によりリン酸化され不活性化されるため負の制御から開放されるという機構を解明した(研究業績#1および#5)。 ・Aurora-Cは、染色体パッセンジャータンパク質であるINCENPと結合し活性化されるなどAurora-Bと類似した生化学的特性を有している。さらにAurora-Cの細胞内挙動はAurora-Bと同じであり、新規の染色体パッセンジャータンパク質であることを証明した。(研究業績#2)。 本研究により、すべてのAuroraファミリーがヒト細胞においてがん特異的細胞周期を制御していることが明らかとなり、がん治療の新しい分子標的となり得ることが判明した。
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Research Products
(6 results)