2005 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞特異的な細胞周期の存在とその分子基盤の解明
Project/Area Number |
16590222
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浦野 健 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70293701)
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Keywords | 細胞周期制御 / オーロラキナーゼ / 細胞分裂期キナーゼ / カルモジュリン / カルシウム |
Research Abstract |
ショウジョウバエや酵母において染色体分離の調節蛋白質として同定されたプロテインキナーゼのヒトホモローグであるAurora-AおよびAurora-Bは様々ながん組織においてDNA増幅や蛋白質の発現増強が高率に認められている。一方,細胞分裂期のヒストンH3キナーゼであるAurora-B,およびその活性化タンパク質であるINCENPを含む"染色体パッセンジャータンパク質"複合体(細胞分裂期までは染色体上に存在し,分裂後期には中央紡錘体であるミッドゾーンへとダイナミックに局在を移動させる)は染色体分配に必須である。本研究では,がん特異的に発現が亢進しているAurora-Aがどのように時間的・空間的・物理的にがん特異的細胞周期を制御しているのかを明らかにした。 ・AuroraファミリーおよびINCENP(正常及び欠損体)をGFP融合タンパク質として発現する細胞株を樹立しタイムラプス観察を行い,時間的空間的配置を決定した。 ・Aurora-Aおよび-Bは,R-X-S/Tをリン酸化コンセンサス配列とするアルギニン指向性のキナーゼであることを示した(研究業績#1)。 ・Aurora-Aの活性は分裂後期の紡錘体極においてCa2+に依存してカルモジュリンにより負に制御されていることを明らかにした(特許出願#1,論文投稿中)。 この分子基盤の解明は,がん細胞に特異的な細胞周期の存在を明らかにしたばかりでなく,Aurora-Aの制御による新しいがん治療の方向性を導くものである。
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Research Products
(7 results)