2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590226
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅井 学 京都大学, 医学研究科, 助手 (90303891)
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Keywords | bc16 / Id2 / NFkB / IRF4 / AID / STAT6 / IgE |
Research Abstract |
目的:申請者はこれまで、分化抑制因子の一つであるId2の遺伝子欠損マウスの病態解析を行ってきた。その結果このマウスがTh2優位な環境をつくりだしていることを見い出し、この原因の一つは、CD8+樹状細胞の欠陥であることを示した(Sugai et al.,J Allergy Clin Immunol,)。一方、高IgE血症の主たる原因がB細胞におけるIgE特異的クラススイッチの亢進によるものであること(Sugai, et al., Nature Immunol.)、さらには、Id2の遺伝子欠損B細胞に認められる、AID遺伝子発現亢進、また、クラススイッチ制御分子機構の一端を明らかにした(Gonda, et al., J. Exp. Med, Sugai, et al., Science)。本研究はId2欠損B細胞のさらなる解析から、Id2が成熟B細胞の活性化とその後の最終分化の負の制御因子であるということを見出したことを基礎として、今まで解析を進めてきたAIDローカスをモデル遺伝子座としてB細胞活性化、その後の沈静化の分子機構を明らかにすることを目的とする。また、IgEクラススイッチ遺伝子座をモデル系としてクラススイッチ制御の分子機構を明らかにすることを目的とする。これらの結果をもとにB細胞活性化とそれに伴う一連のプログラムを総括的に理解したい。 結果:1. CpGによるIgEクラススイッチ抑制に分化抑制因子Id2,やSTAT6抑制因子Bc16の関与を検討した。その結果、CpGによるIgEクラススイッチ抑制にはId2,bc16の関与しないことが明らかになった。CpGはIRF4蛋白量の減少、NFkBの転写活性の抑制を介してIgE germline transcriptionを抑えることによりIgEクラススイッチを抑制していることが明らかになった。2. Id2欠損B細胞はT cell independent antigenに対する反応性が亢進している。この性質は、LPS刺激脾臓B細胞を用いた、in vitro plasma cell分化誘導系においても確認された。また、野生型B細胞にId2を過剰発現することにより形質細胞分化は抑制された。さらに、in vitro Plasma cell分化誘導系において、分化に伴いId2量の減少することが明らかになった。これらのことから活性化B細胞内でのId2量がPlasma cell分化を抑制するのに重要であることが確認された。しかし、Id2の量と既知のplasma cell分化に重要である転写因子(Blimp1,Xbp1,IRF4等)の発現量、転写活性の変化との間に明らかな相関は認められなかった。 考察:Plasma cell分化制御機構に重要な因子は、ノックアウトマウスの解析から明らかになりつつある。Blimp1,Xbp1,IRF4等がPlasma cell分化誘導に必須である。Id2はこれらの転写因子群の発現を制御することや、機能を制御することによるのではなく、おそらく別の経路を介してPlasma cell分化を抑制している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] A transmembane chemokine, CXC chemokine ligand 16, expressed by lympho node fibroblastic reticular cells has the potential to regulate T cell migration and adhesion.2006
Author(s)
Hara, T., Katakai, T., Lee, J.H., Nambu, Y., Nagata, N.N., Gonda, H., Sugai, M., Shimizu, A.
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Journal Title
International Immunology 18・2
Pages: 301-311