2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590227
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
入江 賢児 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90232628)
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Keywords | 細胞接着 / アドヘレンスジャンクション / ネクチン / アファディン / Necl-5 / アネキシン / タイトジャンクション / カドヘリン |
Research Abstract |
細胞間接着は、細胞の増殖・運動・極性形成に密接に関与している。これらの生化学的な分子メカニズムの解明は、細胞の増殖・運動・極性形成さらに個体の発生や維持の制御機構を理解する上で大変重要である。私共は、新しい細胞間接着機構ネクチン-アファディン系を見出し、上皮細胞のアドヘレンスジャンクション(AJ)とタイトジャンクション(TJ)の形成を制御することを明らかにしている。本年度の研究では、ネタチン-アファディン系による細胞間接着の分子機構、および細胞間接着からのシグナリングについて解析し、以下の成果を得た。 (1)ネクチンによるAJおよびTJの形成には、アファディンとアクチン細胞骨格が必須の役割を果たしていた。 (2)AJの形成にカルシウムとリン脂質依存性にアクチン線維を結合するアネキシンII-S100A10複合体が関与していた。 (3)アネキシンIIをノックダウンした細胞では、TJはカドヘリンによる細胞間接着形成なしに形成された。このTJの形成にはネクチン-アファディン系は必須であった。 (4)AJ形成におけるネクチン-アファディン系とカドヘリン-カテニン系を連結する因子LMO7を同定した。 (5)ネタチン-3は、運動している細胞の先端部に局在するネクチン様分子Necl-5とヘテロな接着を形成し、AJ形成の初期で機能していた。 (6)ネクチン-3とNecl-5の接着は、c-Src、低分子量Gタンパク質Rap1、GDP/GTP交換因子FRG、Vav2を介して、低分子量Gタンパク質Cdc42とRacを活性化した。 (7)ネクチン-1とネクチン-3の接着が毛様体の形成に必須の役割を果たしていた。 このように本年度は、細胞間接着機構ネクチン-アファディン系による細胞間接着の形成機構、細胞間接着からのシグナリングについて、当初の計画以上の成果をあげることができた。
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Research Products
(12 results)