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2004 Fiscal Year Annual Research Report

自己のDNAによる自然免疫活性化の分子機構

Research Project

Project/Area Number 16590246
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

川根 公樹  大阪大学, 生命機能研究科, 助手 (60362589)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 長田 重一  大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (70114428)
KeywordsDNaseII / 赤血球分化 / 脱核 / マクロファージ / IFN-β / DNA
Research Abstract

赤血球前駆細胞は、最終分化の過程で脱核し成熟赤血球となる。我々は、DNaseII遺伝子欠損マウスの解析を行い、脱核時に放出された核はマクロファージによって貪食され、この核DNAはマクロファージのリソソームに存在するDNaseIIによって分解されることを示してきた。このマウスは、造血の場である胎仔肝臓のマクロファージ内に未分解のDNAが蓄積し、重度の貧血を呈して胎性致死となる。しかし、なぜDNAが蓄積すると貧血がおこるのか、その機構は不明であった。本研究では、その機構を明らかにするため、胎仔肝よりRNAを調製し、gene-arrayを用いて、DNaseII欠損によって発現が変動している遺伝子を探索した。DNaseII欠損マウスの胎仔肝では、多くのIFN誘導遺伝子やIFN-β遺伝子の発現が大きく上昇していた。IFN-βを、in vitroの赤芽球培養系に添加すると、赤血球の分化もしくは増殖を阻害したので、IFN-βが、DNaseII欠損マウスでの貧血の原因であると考えられた。そこで、IFN-βを産生している細胞を同定するため、胎仔肝切片のin situ hybridizationを行ったところ、未分解のDNAを蓄積したマクロファージがIFN-βを産生していることがわかった。さらに、DNaseIIヘテロマウスをIFN-βの受容体であるTypeI-IFNR欠損マウスと交配し、二重欠損マウスを作製したところ、二重欠損マウスは、赤血球数が野生型のレベルまで回復し、生存して誕生した。以上の結果より、DNaseII欠損マウスでの貧血の原因は、未分解DNAを蓄積して活性化されたマクロファージがIFN-βを産生し、赤芽球の増殖、分化を妨げていたためであるとわかった。すなわち、自己のDNAであっても、分解されるべき局面で正常に分解されないと、自然免疫を活性化し、生体の恒常性を破綻させるという新しい概念が提唱できた。

  • Research Products

    (1 results)

All 2005

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Lethal anemia caused by interferon-beta produced in mouse embryos carrying undigested DNA.2005

    • Author(s)
      Yoshida H. et al.
    • Journal Title

      Nature Immunology 6(1)

      Pages: 49-56

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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