2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590251
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
苅谷 研一 琉球大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40263371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海川 正人 琉球大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00325838)
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Keywords | Rasファミリー |
Research Abstract |
私共は、低分子量G蛋白質Rap2が、JNKを含む新規MAPキナーゼカスケードの上流で機能する3つのMAP kinase kinase kinase kinase (MAP4K)と結合することを見出した。これらのキナーゼ(HGK、TNIK、MINK)はSte20キナーゼグループのGCK-IVサブファミリーに属するが、分類の根拠となるN末端キナーゼドメインだけでなく、C末端にCNHドメインと呼ばれる互いに相同性の高い制御ドメインを共有する。Rap2はこのドメインに結合するが、このドメインとG蛋白質との相互作用は従来知られておらず、私共は新規シグナル伝達系(Rap2-MAP4K系)として解析している。Rap2はHGKによるJNKの活性化を促進したが、TNIKによるJNKの活性化には影響せずにTNIKによる細胞形態変化のみを促進した。この際、Rap2はTNIKの自己リン酸化とdetergent-insoluble画分(細胞骨格画分)への移行を促進したことから、TNIKはこの画分に存在する何らかの標的蛋白質をリン酸化して細胞形態変化を引き起こす可能性がある。一方、TNIKは腫瘍壊死因子(TNFα)刺激に反応してJNKを活性化することが報告されているが、TNFα刺激はTNIKの自己リン酸化にはあまり影響せず、TNIKによる細胞形態変化を強く促進することもなかった。従って、Rap2によるTNIKの活性化とTNFα刺激による活性化とでは、その結果制御される下流シグナル伝達経路が異なると考えられる。今後も引き続きTNIKの下流で細胞形態を制御するMAPキナーゼカスケード以外の経路について、リン酸化標的蛋白質を中心に解析するとともに、Rap2によるMINKの活性化についても解析を進める。
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Research Products
(4 results)