2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590260
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 洋一 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (80216457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10205221)
松原 洋一 東北大学, 大学院医学研究科, 教授 (00209602)
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Keywords | 喘息 / 遺伝子多型 / 多変量解析 / ハプロタイプ / インターロイキン / 補体 / ロイコトリエン受容体 |
Research Abstract |
本研究は、複数の疾患感受性遺伝子の遺伝子多型から、喘息発症のリスクをどの程度まで推定できるのかを明らかにすることを目的として行った。喘息感受性候補遺伝子として80遺伝子、320以上の一塩基多型をスクリーニングし、複数の遺伝子多型が成人喘息ないし小児喘息と相関を示すことを見出した。それら複数の感受性遺伝子からのロジェスティック回帰による疾患発症予測がどの程度可能か、Area Under ROC curve(AUC)を中心に用い評価した。昨年度には、小児喘息のリスクの解析を中心に行ったが、本年度は、成人喘息発症における評価を行った。成人喘息の患者484例と成人コントロール629例とのχ2乗検定でP値0.05以下を示したものは、MD1、MYD88、SERPNA1、STAT4、TLR2、TLR5、CYSLT2、C3、C5ARであった。これらの遺伝子をロジェスティック回帰式の独立変数としてみた場合、各遺伝子の有意確率は0.003、0.001、0.593、0.630、<0.001、0.001、<0.001、<0.001、0.251であった。このモデルでのNagelkerke's R2乗は0.231、AUCは0.721であった。遺伝子間相互作用のスクリーニングの結果、最も効果の大きいと考えられた、SERPNA1とCYSLT2の相互作用を含めたモデルも検討したが、Nagelkerke's R2乗=0.236、AUC=0.724と相互作用無しのモデルと差が無かった。小児喘息の発症予測では、遺伝子相互作用を加えた場合R2乗0.549、AUC0.887であったので、成人喘息の発症予測の成績は、小児喘息に比して悪かった。この結果は、小児喘息に比べて成人喘息のほうが、環境要因が大きいことを示唆している可能性、または、小児喘息と成人喘息の感受性遺伝子が異なっており、これまで検討した遺伝子が小児喘息への影響の大きいものに偏っている可能性を示唆している。
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Research Products
(4 results)