2004 Fiscal Year Annual Research Report
急性冠症候群の発症メカニズムにおける酸化LDLの役割に関する分子病理学的研究
Project/Area Number |
16590288
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
上田 真喜子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10137193)
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Keywords | 急性冠症候群 / 酸化LDL / 酸化LDLレセプター / 血小板 / 好中球 |
Research Abstract |
近年、酸化LDLは動脈硬化の不安定化を進行させる重要因子として注目されている。しかし、ヒトの酸化LDLに関しては、その動態、生成メカニズム、クリアランスメカニズムなど、未だ多くの点が不明のままである。本研究は、急性冠症候群の発症予知および予防を目指して、ヒトの冠動脈硬化病変における酸化LDLの局在や、LDL酸化の促進酵素であるミエロペルオキシダーゼ、および酸化LDLレセプターの発現とそのup-regulationの有無について分子病理学的に解析し、急性冠症候群の発症メカニズムにおけるプラーク不安定性や酸化LDLリガンド・レセプター系の関与、および酸化LDLの生成メカニズムとミエロペルオキシダーゼの関与について解明しようとするものである。 本年度の研究において、まず我々はヒト急性心筋梗塞の責任病変における酸化LDLと好中球の局在について報告した(Am Heart J.148:818-825,2004)。続いて、ヒトの組織マクロファージにおける酸化LDLとそのレセプター発現との関連性について検索し、ヒトの病変部に集積したマクロファージには酸化LDLレセプターの一つであるCD36の発現のup-regulationが認められるようになり、これが、ヒト病変部における酸化LDLのクリアランスメカニズムに関与している可能性をはじめて明らかにした(Lung.182:1-13,in press 2005)。さらに、本年度は、ヒト冠動脈の破裂・びらん性プラークにおける血小板のGPIIb/IIIaやP-セレクチンの発現と好中球ミエロペルオキシダーゼ発現との密接な関連性についても明らかにした(Int J Mol Med.15:573-577,2005)。
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Research Products
(7 results)