2005 Fiscal Year Annual Research Report
がん抑制遺伝子maspinの発現制御機構と生学的意義の解析
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16590290
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Research Institution | Iwate medical University School of Medicine |
Principal Investigator |
前沢 千早 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (10326647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 聡 岩手医科大学, 医学部, 助手 (40326658)
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Keywords | maspin / 癌抑止遺伝子 / 胃がん / 肝がん / 胆道がん / 腸上皮化生 / 子宮体がん / マイクロアレイ |
Research Abstract |
(目的) maspin(mammary serine protease inhibitor)は,乳癌の癌抑制遺伝子として単離され,免疫組織学的に発現の減弱している重層扁平上皮癌,前立腺癌,乳癌では,高頻度に転移を認めることが報告された.しかし,膵癌や卵巣癌患者の正常上皮では発現が認められず,腫瘍の進展とともにmaspinの陽性率が高くなり,まるで癌遺伝子のような振る舞いをすることが報告された.このような相反する報告の背景には,古典的癌抑制遺伝子の不活化機構では,説明のつかない事象があると思われる.本研究課題ではmaspin遺伝子の,(1)発現制御機構,(2)生物学的意義を明らかにする. (方法) (1)maspinの発現機構こ関わる研究:p53遺伝子の,N末のリン酸化,C末のアセチル化,遺伝子自体の構造異常を解析する.(2)maspin遺伝子発現の生物学的意義に関する研究:maspin遺伝子のinducible cloneを作成し,cDNA microarray/プロテオーム解析を行い,maspinの発現によって変動するmRNA/蛋白質を網羅的に同定する. (結果) 1)肝癌におけるmaspin遺伝子の発現抑制はp53遺伝子の転写制御によらないことを明らかにした. 3)胆嚢の腸上皮化生粘膜でaberrantな発現のみられることを明らかにした. 2)maspinのinducible cloneを作製した. 3)胃癌においてmicroarray解析によりmaspinの過剰発現とリンパ節転移との関連を明らかにした. 4)maspin遺伝子の転写制御はp^53遺伝子以外によって制御されている可能性があり,この転写制御機構について解析する. 5)子宮体癌の扁平上皮化生部分で異常発現を認めた. (結語) maspin蛋白質の異常発現は,化生性の変化と密接な関連があり,発がんの発生母地となる可能性が示唆された.
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Aberrant maspin expression in gallbladder epithelium is associated with intestinal metaplasia in patients with cholelithiasis.2006
Author(s)
Maesawa C, Ogasawara S, Yashima-Abo A, Kimura T, Kotani K, Masuda S, Nagata Y, Iwaya T, Suzuki K, Oyake T, Akiyama Y, Kawamura H, Masuda T.
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Journal Title
J Clin Pathol 59(3)
Pages: 328-330
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[Journal Article] Infrequent mutation of the human envoplakin gene is closely linked to the tylosis oesophageal cancer locus in sporadic oesophageal squamous cell carcinomas.2005
Author(s)
Iwaya T, Maesawa C, Kimura T, Ogasawara S, Ikeda K, Kimura Y, Noda Y, Ishida K, Sato N, Saito K, Masuda T.
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Journal Title
Oncol Rep 13(4)
Pages: 703-707