2005 Fiscal Year Annual Research Report
野生型K-ras大腸がんの発育・進展におけるPParrの意義について
Project/Area Number |
16590292
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
冨田 茂樹 獨協医科大学, 医学部, 講師 (90275751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 祐子 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (90254961)
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Keywords | 大腸がん / K-ras / pparγ / 発育・進展 |
Research Abstract |
約50%の大腸がんには野生型K-ras遺伝子症例の存在が報告されている.野生型K-ras遺伝子大腸がん症例の発育・進展の解明するため,Peroxisome Proliferator Activated Receptor γ(ppar γ)に注目した. 今回はppar γ遺伝子多型およびK-ras遺伝子異常とppar γ遺伝子およびK-ras遺伝子の標的蛋白であるCyclin D1およびcyclooxygenase 2(COX2)発現について検討した. 1)パラフィン包埋検体からがん部、非がん部でのppar γ遺伝子異常およびK-ras遺伝子異常を以前に報告した方法(Tomita S, et al. Int J Mol Med 9(5):485-488)で検索した.検索した10症例(男/女:10/0;平均年齢:57歳)の進行大腸がん症例(組織型:Wel 4, Mod 5, Por 1)を対象とした.ppar γ多型はPro/Pro 9例, Pro/Ala 0例, Ala/Ala 1例であった.K-ras codon 12遺伝子の状態は野生型7例,変異型3例であった. また以前に報告した結果と同様にAla/Ala 1例の組織型は低分化腺癌であった. 2)今回はそれぞれの遺伝子に共通した標的蛋白であるCyclin D1, COX2に対する免疫組織学的検討を施行した. 昨年度までの予備実験では従来使用していたCyclin D1抗体の精度(染色態度等)に問題であった. そこで今回はCyclin D1遺伝子異常有陽性コントロールであるマントル細胞性悪性リンパ腫を対象とした検討をした.その結果,従来使用していたDako社,MBL社でなくLAB VISION社製の抗体(clone SP4)で核内陽性所見となる的確な条件設定を確認した. 今回確定した至適条件でCyclin D1の核内陽性像を全例で認めた.COX-2は4例で陽性であった. 3)ppar γ遺伝子多型およびK-ras遺伝子異常とそれぞれの標的蛋白発現との間に優位な相関は認められなかった.またパラフィン検体でのmRNA発現条件設定が困難であり免疫組織学的検討結果との関係は確認出来なかった しかし遺伝子異常と正常粘膜およびがん周囲粘膜でのCyclin D1染色態度において差異を認めた. 4)現在さらにこの差異について統計的有意差の有無を確認すべく,腺腫を合併した大腸癌症例や低分化腺癌症例を含む70症例での追試を施行している. 5)上記内容についてH18年度の日本病理学会およびDDW JAPAN 2006で発表する予定である.
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Research Products
(7 results)