2004 Fiscal Year Annual Research Report
P80によるHodgkin細胞のALCL細胞への形質転換の分子機構の解析
Project/Area Number |
16590294
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
堀江 良一 北里大学, 医学部, 助教授 (80229228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東原 正明 北里大学, 医学部, 教授 (80165084)
渡邊 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
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Keywords | Hogkinリンパ腫 / 未分化大細胞性リンパ腫 / Nf-kB / NPM-ALK / P80 |
Research Abstract |
我々はこれまでの研究でCD30過剰発現と恒常的NF-kBというHodgkin and Reed-Sternberg(H-RS)細胞の特徴が過剰発現によるCD30の自己活性化による恒常的NF-kB誘導というループを介してHodgkinリンパ腫の病態に本質的に関わっていることを明らかにした。 H-RS細胞とAnaplastic large cell lymphoma(ALCL)細胞はCD30を過剰発現するのもかかわらず、恒常的NF-kB誘導はH-RS細胞では認めるがALCL細胞では欠如している。この原因を明らかにすることは同じCD30過剰発現を有するリンパ腫であるにもかかわらず異なる形質を示し、かつ境界例も存在する二つの疾患群の分子基盤を明らかにする切り口となると考えられた。 本研究ではT細胞系のH-RS細胞株にP80NPM-ALKを導入すると恒常的NF-kB誘導が消失しかつALCLの特徴を備えた細胞形質へと変化することが示された。 すなわち、CD-30-NF-kBシグナルのP80NPM-ALKによる阻害がH-RS細胞とALCL細胞を分ける重要な分子基盤であると考えられた。本年度はその分子機構を詳細に検討した。 CD30はTRAFを介してNF-kBの恒常的活性化を誘導するが、P80NPM-ALKの存在下での以下のような機構でCD-TRAFを-NF-kB経路を阻害することが明らかとなった。 (1)P80NPM-ALKはALK領域でTRAFと結合すること、(2)NPM領域はNPM-ALKの多量体化に関与すること、(3)NPMおよびTRAFと結合したNPM-ALKはNPMによるシャペロン構造を形成すること、(4)このシャペロン構造にトラップされたTRAFはCD30への動員活性化が阻止されること。
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Research Products
(4 results)