2004 Fiscal Year Annual Research Report
GPI蛋白、中間フィラメントを標的とした乳癌細胞の浸潤・転移機構の解明
Project/Area Number |
16590306
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
稲井 邦博 福井大学, 医学部, 助手 (30313745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
法木 左近 福井大学, 医学部, 助教授 (30228374)
内木 宏延 福井大学, 医学部, 教授 (10227704)
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Keywords | 乳癌 / GPI蛋白 / ecto-5'-nucleotidase / 細胞運動 / integrin β1 |
Research Abstract |
膜脂質マイクロドメインに局在するGPIタンパクecto-5'-nucleotidase(5NT)と、中間フィラメントvimentin(Vim)が、乳癌細胞の浸潤・転移能獲得に関与する過程を、細胞運動、シグナル伝達の観点から検討した。 5NTをConAで重合させると、Vim存在下で細胞膜表面から細胞質に転入し、integrin β1、Srcとともに複合体を形成し、pY418Src、及びpY397FAKリン酸化が促進され、紡錘形細胞はlamellipodia形成を経て、楕円形に形態変化したが、この形態変化はdominant negative Srcをtransfectionした変異細胞でも認められた。ConA刺激でintegrin β1のclusteringが生じ細胞運動も亢進したが、この亢進はフィブロネクチン阻害剤で抑制された。また、細胞形態はintegrin β1ブロッキング抗体存在下では、lamellipodia形成に留まり、楕円形への形態変化は認められなかった。細胞運動に関与するpS785 integrin β1の脱リン酸化は、ConA刺激で促進されたが、integrin β1ブロッキング抗体存在下では抑制された。興味深いことに、Src dominant negative変異細胞ではpS785の脱リン酸化がさらに促進した。 GPI蛋白5NTはリガンド刺激を受けると細胞質に転入し、少なくともVim、integrin β1、Srcと複合体を形成して、これらをscaffolding蛋白として形態変化を生じさせるとともに、integrin経路をbypass的に刺激して、細胞運動賦活化に寄与することが示唆された。 現在、本研究結果を海外共同研究者と共同で論文投稿、及び執筆中である。
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