2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス的解析から見た肺癌の神経内分泌分化機構とその生物学的な意義
Project/Area Number |
16590318
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊藤 隆明 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70168392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇高 直子 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (90285106)
松川 昭博 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (90264283)
荒木 令江 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (80253722)
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Keywords | 肺癌 / 肺小細胞癌 / 神経内分泌 / 細胞分化 / hASH1遺伝子 / DNA microarray / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、1)肺の神経内分泌分化のマスター遺伝子であるhASH1遺伝子の肺癌細胞培養株への導入あるいは発現阻害実験を行い、DNA microarray法とプロテミクス解析法により神経内分泌分化関連mRNAおよび蛋白質の変化を網羅的に明らかにする。2)非小細胞癌の神経内分泌分化獲得、あるいは小細胞癌の神経内分泌形質消失とともに見られる細胞増殖、細胞形態、細胞運動の変化について観察し、神経内分泌分化の生物学的な意義を明らかにする。3)以上より得られた生物学的な変化と網羅的な発現変化解析から、神経内分泌分化の鍵になると思われる新たな候補分子、また神経内分泌分化と増殖制御機構・細胞運動・細胞形態との接点とに関わる分子を想定し、その機能を明らかにする、ことである。 平成16年度の研究は、hASH1遺伝子導入肺腺癌(A549)、扁平上皮癌株(H2170)、hASH1アンチセンス遺伝子導入肺小細胞癌(H69)を樹立した。hASH1遺伝子導入非小細胞肺癌培養細胞は、神経内分泌形質を示すが、細胞増殖能、ヌードマウス皮下移植による腫瘍形成能、転移能にはコントロール肺癌培養細胞と相違が認められなかった。一方、hASH1遺伝子導入非小細胞肺癌培養細胞は、神経内分泌形質の消失を示す、また、浮遊系形態から固着性形態へと形態変化を示した。現在、これら細胞株をAffymetrix社のhuman genome U133A arrayによりDNA micro-array解析をしている。また同時に、FLAG-HA-hASH1遺伝子vectorを作成中で、非小細胞肺癌培養細胞へと遺伝子導入し、これによりhASH1蛋白と関連する分子の同定を質量分析により明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)