2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアーゼ活性化受容体2の生体内分布と動脈硬化発生・進展における役割
Project/Area Number |
16590321
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
丸塚 浩助 宮崎大学, 医学部, 助教授 (00239154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 祐士郎 宮崎大学, 医学部, 教授 (70202588)
畠山 金太 宮崎大学, 医学部, 助手 (60325735)
山下 篤 宮崎大学, 医学部, 助手 (90372797)
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Keywords | PAR2 / 血栓形成 / 内膜肥厚 / 骨髄移植モデル / 生体内分布 |
Research Abstract |
1.実験的血栓/内膜肥厚モデルの作製 GFPマウスの骨髄細胞を雄性C57BL/6に移植、生着を確認後、大腿動脈から大動脈にかけてナイロン糸を留置することによって、血栓形成内膜肥厚の一連を評価できる新しいモデルを作製し、蛍光顕微鏡下に血栓の器質化巣及び内膜肥厚巣への骨髄細胞由来GFP陽性細胞関与を検討した。また、構成細胞を免疫組織学的に同定した。血栓の表面に存在する炎症細胞はほとんどがGFP陽性であったが、器質化巣および内膜肥厚巣ともに、平滑筋細胞・内皮細胞の形質を示した細胞にはGFP陽性細胞は極少数で構成細胞あたり1%弱であった。これらのことから、血栓の器質化巣・肥厚巣を構成する細胞はほとんどが血管壁から遊走してきた平滑筋細胞・内皮細胞から成ることあきらかとなり、骨髄由来細胞は関与したとしても極わずかであることが示された。 2.PAR2-KOマウスにおける血栓の器質化・内膜肥厚 C57BL/6マウスとバッククロス5代目のPAR2-KOマウスにおいて、上記の方法を用いて血栓器質化・内膜肥厚の差異を検討した。PAR2-KOマウスにおいて若干血栓器質化・内膜肥厚が弱い傾向にあったが有為差は認められなかった。一方、家兎腸骨動脈閉塞性血栓および内膜肥厚モデルを作製(ATVB,2004)し、この系において、血小板凝集抑制効果とともにPAR2による細胞内シグナル伝達を抑制すると考えられるCD39を過剰発現させると血栓形成とともに内膜肥厚を抑制することをあきらかにした(Circulation,2005) 3.蛍光顕微鏡による各種検索 本補助金により購入した顕微鏡画像取り込み装置を用い、ヒト解剖症例およびマウスにおけるPAR2の生体内分布を検討中である。また、上記の蛍光免疫染色による細胞同定とともに、心筋梗塞モデルにおける線維化の定量(Circulation,2004)、ARH-KOマウスにおけるLDL取り込みの差異を検討した(Circulation Res,2004)。
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Research Products
(4 results)