2005 Fiscal Year Annual Research Report
分化制御因子としてのギャップ結合蛋白質コネキシンの研究
Project/Area Number |
16590323
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小西 英一 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (50186714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山田 正人 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (30183255)
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Keywords | ギャップ結合 / connexin / コンパートメント形成 / マウス胚性腫瘍細胞株 / 心筋分化 / αMHC promoter / EGFP |
Research Abstract |
われわれは細胞の初期分化過程において、特定の細胞系譜にコミットされた集団と他の細胞集団との間にはギャップ結合細胞間コミュニケーションが存在しないこと、つまり、系譜が異なる細胞集団間に細胞間コミュニケーションのコンパートメント形成が起こることを明らかにし、分化制御因子としてのギャップ結合の重要性を提起してきた。本研究では、新しい細胞系譜が出現する時、発現するギャップ結合蛋白質connexin(Cx)の種類と組み合わせが変り、周辺の細胞とは異なった細胞間コミュニケーションのコンパートメントが形成されるという仮説を立てた。 この仮説を検証する目的で,多分化能を持つマウス胚性腫瘍細胞を用いたin vitro初期心筋細胞分化モデルを作成し,以下の結果を得た。 1)多分化能を持つマウス胚性腫瘍細胞株P19に、心筋特異的αミオシン重鎖(αMHC)遺伝子プロモーターとEGFPとの融合遺伝子(αMHC promoter-EGFP)を導入した細胞株(P19ME)を樹立した。 2)P19ME細胞株は、1%DMSO処理によって、高頻度で心筋分化が誘導されること、心筋に分化した細胞を拍動だけではなく、EGFPの蛍光により同定出来ることを確認した。 3)P19ME4細胞では、未分化な状態において、ギャップ結合蛋白のうち、Cx43,Cx45の発現は認められるが、Cx40の発現は認められないことを確認した。また、DMSO処理による分化誘導後、拍動する心筋細胞の出現以前に、心筋特異的転写因子とCx40 mRNAの発現が認められた。心筋で発現しているコネキシンでもその種類によって異なった発現調整が行われていることを明らかにした。 4)心筋へ分化させたP19ME4細胞に心筋で発現しているギャップ結合蛋白質のCx43,Cx40の免疫染色を行った。Cx40は、α-MHC陽性心筋に分化した細胞集団に限局した発現が認められたが、Cx43は心筋細胞集団だけではなくα-MHC陰性の非心筋細胞にも発現が認められた.
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Research Products
(9 results)