2004 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスに応答する新しいシグナル伝達分子の探索
Project/Area Number |
16590326
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助教授 (70216878)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧澤 俊也 東海大学, 医学部, 助教授 (70197234)
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
|
Keywords | protein kinase C / diacylglycerol / oxidative stress / lipid peroxidation / neuron / brain / signal transduction / MAP kinase |
Research Abstract |
プロテインキナーゼC(PKC)は、イノシトール燐脂質情報伝達系のkey enzymeであり、種々のlipid mediatorの中でもジアシルグリセロール(DAG)によって活性化されることにより様々な細胞応答に重要な役割を果たしている。我々はDAGが過酸化されることによりnative DAGの約3倍のPKC活性化作用を持つ強力な活性化物質に変質することを証明し、機能性脂質(DAG)の過酸化によるPKC過剰活性化と蛋白リン酸化反応の異常亢進による病変発生の可能性を示唆してきた。本研究では、過酸化DAGに特異的に応答する新しいPKC分子種(PKC-X)の同定を試み、更に、このPKC分子が過酸化DAGにより過剰活性化された際の細胞傷害作用の機序をin vivoの脳組織中において精査する目的とする。2004年度は、ラット脳ホモジネートからDEAE-sephaceカラムクロマトグラフィーにより分離されたPKC-Xを高濃度に含有する分画を得ることに成功した。また、このPKC-X分画を用いBiacore装置により過酸化DAGとの親和性の解析を行った。その結果、PKC-Xはnative DAGと比較して過酸化DAGに対して高い親和性を有することが判明した。また、コントロールとして用いた精製PKCδ分子も同様に過酸化DAGに対して高い親和性を有することが明らかとなった。更に、Biacoreチップ上に固定された過酸化DAGに結合したPKC-Xと考えられる蛋白質の精製が可能となり、質量分析器による解析に必要な容量の蛋白が得られてきている。
|