2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管炎発症初期のin-vivoイメージングと分子機構解析
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16590330
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
大川原 明子 国立感染症研究所, 生物活性物質部, 主任研究官 (30260277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 和男 国立感染症研究所, 生物活性物質部, 室長 (20192130)
中山 俊憲 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50237468)
大野 尚仁 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (80152213)
南谷 晴之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051779)
亀岡 洋祐 医薬基盤研究所, 生物資源研究部, 主任研究者員 (00224692)
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Keywords | 好中球 / MPO-ANCA / 腎炎 / 血管炎 / QD |
Research Abstract |
Myeloperoxidase(MPO)を抗原として産生される抗好中球自己抗体MPO-anti-neutirophil cytoplasmic autoantibody(MPO-ANCA)は、好中球活性化の指標のひとつであり、血管炎の発症・病態に深く関わると考えられている。一方、好中球の活性化にともない、MPO-ANCAの抗原MPOが細胞表面に表出してくることが明らかになっている。従って、病因・病態の推移の解析には、MPO抗原の表出の定量がひとつのポイントになる。しかし、定量的に測定するには、これまでの蛍光標識では限界があり、定量は困難であった。そこで、昨年度、マウスHPOに対するラビット抗体を量子ドット(QD)で標識し、定量することに成功した。本年度は、MPO抗体のトレースを目的とし、QD-anti-MPO抗体をinvivo投与し、その挙動をイメージング解析した。【方法】QD-anti-MPOおよびQDコントロールIgGをマウスに投与し、12,24,48時間と経時的に肺、腎、肝臓、脾臓を採取し、QDの局在を蛍光顕微鏡にて観察し、イメージング解析を行い、その臓器移行をトレースした。【結果・考察】QD-anti-MPOおよびQDコントロールIgGの投与後、各臓器への移行を12,24,48時間で調べたところ、QD-anti-MPOは、腎臓の糸球体に局在し、24時間後が顕著であった(コントロールIgGは観察されなかった)。この結合は、糸球体内皮細胞と反応していることが予想された。他の臓器へのQD-anti-MPO抗体の移行は、糸球体のように顕著でなかった。以上の知見から、血管炎患者や腎炎、血管炎マウスモデルでは、好中球が活性化状態にあってMPOを細胞表面に表出していること、またこの状態をQD-anti-MPOによるイメージングによってモニタリングすることは有用と思われ、臨床の病態解析のための強力な方法となりうることを示した。本解析は、血管炎患者や腎炎、血管炎マウスの好中球のin vivoの解析に役立つと考えられる。
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Research Products
(3 results)