2005 Fiscal Year Annual Research Report
リーシュマニア症の血清診断抗原の分析と新規蛋白合成系を用いた迅速診断キットの開発
Project/Area Number |
16590337
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
片倉 賢 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10130155)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 敬文 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 教授 (00188616)
|
Keywords | ウエスタンブロット法 / 血清診断 / 抗原 / 皮膚リーシュマニア症 / TOF-MS / Leishmania(L.)major / Leishmania(V.)panamensis / Leishmania(L.)tropica |
Research Abstract |
本研究は,皮膚型,粘膜・皮膚型,内臓型の各リーシュマニア症に特異的な診断抗原を同定し,とくに皮膚リーシュマニア症を迅速に診断できるワンステップ免疫クロマト法を開発することを目的として計画された。昨年度の結果から,エクアドルにおいては,L.(V.)panamensis(Lp)が分布する皮膚リーシュマニア症流行地の患者血清がLp抗原の分子量約120,95,85および75kDaの抗原と強く反応することが明らかになった。そこで,今年度はこれらの抗原蛋白を特定するために,質量分析装置(Maldi TOF-MS)を用いて得られたペプチド情報をリーシュマニアのゲノム情報と照らし合わせて解析した。その結果,これまでのところ,elongation factor 2(94kDa),heat shock protein 83(80kDa),ならびにheats hock protein 70(72kDa)が候補として検出された。今後は,さらにTOF-MS解析を継続して120kDaの蛋白を特定するとともに,上記3つの蛋白についてレコンビナント蛋白を作成し,患者血清との反応性について検討していきたい。一方,パキスタン南部のインダス川流域で新たに発生している皮膚リーシュマニア症の調査結果から,原因虫種はL.(L.)majorが中心で,L.(L.)tropicaも一部混在していることを明らかにした。今後は,同流行地の患者血清が認識する抗原について,同様にTOF-MS解析を行い,旧世界と新世界の皮膚リーシュマニア症の診断用抗原の相違について明らかにしていきたい。
|
Research Products
(2 results)