2004 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞およびマクロファージの遺伝子発現と機能を制御する寄生虫因子の研究
Project/Area Number |
16590339
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
福本 宗嗣 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助教授 (60111126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 和光 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教授 (20093940)
三浦 憲豊 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助手 (10335507)
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Keywords | マンソン裂頭条虫擬充尾虫 / マクロファージ / CXCL10 / IP-10 / LPS / IFN-γ / ISRE / IFN-β / NF-κB |
Research Abstract |
マンソン裂頭条虫擬充尾虫(幼虫)のexcretory/secretory products(ES)中の免疫抑制因子が、CXCL10/IP-10ケモカインの遺伝子発現を抑制することを見出し、この遺伝子発現抑制の機序について検討した。LPS活性化マクロファージではToll-like receptor4を介してMyD88非依存性経路によって産生されるIFN-βを介して、IP-10の遺伝子発現が認められるが、ESはIFN-βの産生を抑制することによって、IP-10の遺伝子発現を抑制することが明らかになった。また、IFN-γ刺激によるSTAT1 Tyr727のリン酸化は、ESによって抑制されず、STAT1のホモダイマーのGAS elementへの結合も阻害されなかった。しかし、ISREをprobeとしたゲルシフトアッセイでは、IFN-β刺激の場合にはISREへの転写因子の結合は抑制されなかったが、IFN-γ刺激では抑制された。IP-10の-243の転写調節領域にはISREの他にNF-kBが結合するkB siteが2つあり、転写に関与していることが明らかになっているが、LPS刺激の場合のNF-kBの核への移行は抑制されていなかった。そこで、RelAの転写活性化ドメインに核移行シグナルをもつGAL4 DNA Binding Domain(pBIND)を結合したキメラタンパク発現ベクターとGAL4結合sequenceをもつluciferase reportor geneを一緒にRAW264.7細胞にトランスフェクションし、ESの影響を検討した。ESは、LPSまたはIFN-γ刺激によるGAL4依存性のRelAの転写活性化を阻害した。IP-10は1型ヘルパーT細胞(Th1)などの遊走作用があり、ESは感染局所へのこれらの細胞の遊走を阻害することにより宿主の免疫反応からエスケープすることが推察された。
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Research Products
(1 results)