2005 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化脱リン酸化の14-3-3蛋白質によるトリパノソーマ特異的調節は治療の標的
Project/Area Number |
16590350
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Research Institution | KURUME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福間 利英 久留米大学, 医学部, 教授 (90125146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 雅広 久留米大学, 医学部, 講師 (00232562)
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Keywords | Trypanosoma b. brucei / 14-3-3 / dimerization / N-terminal / phosphorylation |
Research Abstract |
14-3-3はファミリーを形成し、保存されたモチーフを有する。ヒトでは8種(α、β、γ、ε、ξ、η、θ、τ)のアイソフォームサブユニットがあり、ホモダイマー、ヘテロダイマーを形成している。我々が遺伝子クローニングにより示したトリパノソーマ14-3-3の場合IおよびII、同じモチーフは保存していながら,ヘテロダイマーを形成する一方,14-3-3-Iはホモダイマーを形成するが、14-3-3-IIはホモダイマーを形成しない。このことから発して主としてTrypanosoma b. brucei (Tb)の,そしてヒトの14-3-3タンパク質,哺乳動物との差異について進化の面から解析する必要が生じてきた。 種々のミューテーションを導入した14-3-3-I, IIを準備して,以下のようなユニークなTb 14-3-3アイソフォームの2両体形成パターンを見出した。ヒトを含めて哺乳動物の14-3-3では1〜4のαヘリックスが2量体形成に関与している。それに対してTb 14-3-3-IIではNターミナルから1〜28番目のアミノ酸,14-3-3-IIでは1〜7アミノ酸が2量体形成に重要であり,哺乳動物の14-3-3では全くそういうとはないことが判明した。もう少し詳細に解析してみると,N端配列4番目のアミノ酸であるフェニルアラニン,7番目のプロリン,そして,13番目のロイシンが決定的に重要であることも指摘できた。リン酸化の面で言うと詳細は公表できないが,リン酸化によらない経路を考える必要が生じてきた。
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