2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗酸化タンパクノックアウトがマラリア原虫の哺乳類及び蚊体内発育に及ぼす影響の解析
Project/Area Number |
16590351
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
河津 信一郎 国立国際医療センター研究所, 適正技術開発・移転研究部・適正技術開発研究室, 室長 (60312295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩野 繁之 国立国際医療センター研究所, 適正技術開発・移転研究部, 部長 (60233912)
坪井 敬文 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 教授 (00188616)
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Keywords | 感染症 / マラリア / ストレス / レドクス / 逆遺伝 / 遺伝子改変原虫 / 蚊体内発育型 |
Research Abstract |
In vivo環境において、マラリア原虫新規抗酸化タンパク、ペルオキシレドキシン(Prx)の欠損が原虫生理に与える影響を観察する目的で、2-Cys型Prx遺伝子を欠損するローデントマラリア原虫(Plasmodium.berghei,ANKA strain)を作製し、その表現型を観察した。ノックアウトコンストラクトの導入、薬剤マーカー(ピリメタミン)によるスクリーニング後に、限界希釈で得られたクローンについて2-Cys型Prx遺伝子座での相同組換えをSouthern blotで確認した。この時、マーカー遺伝子座で組換えをおこしピリメタミンに対する耐性のみを獲得した原虫クローンも、薬剤耐性コントロール(Prx WT)として選択した。原虫細胞でのPrx欠損はmRNAおよびタンパクレベルで確認した。Prx欠損原虫(Prx KO)をBALB/c、C57BL/6NおよびDBA/2Jに感染させて赤血球内発育型(赤内型)での増殖を観察した。その結果、Prx KOの赤内型増殖率は、いずれのマウス系統においても、親株(WT)およびPrx WTのそれらと同等であった。しかしながら、Prx KOでは生殖母体(ガメトサイト)の形成率がPrx WTに比して有意に低かった。一方、蚊(Anopheles stephensi)体内での発育についても、中腸壁でのオオシスト形成を比較したところ、Prx KOでは成熟オオシストの形成率がWT/Prx WTに比して有意に低かった。
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Research Products
(2 results)