2004 Fiscal Year Annual Research Report
CpG-DNAの塩基配列に依存したヒト標的細胞活性化機構の解明
Project/Area Number |
16590355
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊保 澄子 福井大学, 医学部, 助手 (80151653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高塚 尚和 福井大学, 医学部, 助手 (40242490)
岩崎 博道 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (10242588)
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Keywords | CpG DNA / 形質細胞様樹状細胞 / INF-α / IRF / NF-κB / p38 MAPK / IP-10 |
Research Abstract |
「目的」非メチル化CpG DNAの免疫活性は塩基配列に依存して発現するがその機構は不明である。そのため本研究では、塩基配列の異なるCpG DNAの細胞活性化を検討して標的蛋白を明かにすることを目的とした。16年度はヒト形質細胞様樹状細胞(PDC)に強いIFN-α誘導活性を示すA-ODNと弱い活性を示すB-ODNについてシグナル伝達の相違を検討した。 「方法」血液学的に異常を認めない健康成人よりインフォームド・コンセントを得て末梢血を採血し、白血球表面抗原識別抗体を用いてPDCを精製した。A-ODNには申請者が同定したpolyG-flanked palindromic CpG DNA(palGACGA1010)、B-ODNには#2006を用いた。 「成績」まず、昨年度に続きA-ODNによるPDCの活性化機構を検討した。PDCはIRF-3,5,7,8を構成的に発現しており、そのうちIRF-5,7,8の発現はNF-κBに制御されていることを明らかにした。A-ODNで刺激するとIRF-7のみが誘導された。CpG DNAの細胞内取込みやTLR9シグナリングの経路を遮断するとIRF-7の発現、およびその下流のIFN-α、IL-10の発現が阻害された。また、これらの発現にはp38MAPKとNF-κBの相互活性化が必要であった。次に、PDCをB-ODNで刺激してA-ODNによるシグナル伝達との違いを検討した。短時間(5時間)培養ではIRF-7,IFN-α,IP-10がA-ODNと同様に誘導されたが、その後発現は亢進せず、16時間の培養ではいずれの発現もA-ODNに比べて著しく低いことが示された。 「結論」A-ODNとB-ODNは異なった様式でPDCを活性化すると考えられた。活性化経路の相違点を明らかにするため検討を続けている。尚、16年度に予定していた誘導される獲得免疫の違いについては、1ドナーから得られる細胞数が少ないため実験データの蓄積がはかどらず、次年度に継続した。
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Research Products
(4 results)