2005 Fiscal Year Annual Research Report
CpG-DNAの塩基配列に依存したヒト標的細胞活性化機構の解明
Project/Area Number |
16590355
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊保 澄子 福井大学, 医学部, 助手 (80151653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高塚 尚和 福井大学, 医学部, 助手 (40242490)
岩崎 博通 福井大学, 医学部, 助教授 (10242588)
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Keywords | CpG DNA / IFN / IRF-7 / pDC / NF-κB / p38 MAPK / IgE |
Research Abstract |
「目的」形質細胞様樹状細胞(pDC)はTLR9下流でNF-κB/p38 MAPKを活性化してIRF-7を発現する(H16)。本年度はその活性化機構を検討した(1)。また、CpG DNAによる獲得免疫制御を、IgE産生を対象に検討した(2)。 「方法」同意を得た健康成人及び扁桃摘出患者の末梢血・扁桃を用いた。pDCは白血球表面抗原識別抗体を用いて精製した。CpG DNAには申請者が同定したpolyG-flanked palindromic CpG DNA(palGACGA1010)をA-type、#2006をB-typeとして用いた。IRF-7、IFN-αの発現はRT-PCRとELISA、IRF-7の活性化はWestern Blotにより検討した。 「成績」(1)TLR9は細胞内に取り込まれたCpG DNAをエンドゾームで認識するが、エンドゾームには、IRF-7がTLR9アダプター分子であるMyD88およびTRAF6と複合体を形成して集積する。そこで、CpG DNA刺激pDCでは、IRF-7はエンドゾーム付近で活性化されると推測し、その機構へのNF-κB/p38 MAPK経路およびエンドゾームの関与をそれぞれの阻害剤を用いて検討した。その結果、構成的IRF-7およびpalGACGA1010刺激により発現したIRF-7のいずれも、NF-κB/p38 MAPK経路に依存しない機構で、エンドゾームまたはその近傍で活性化されて核へ移行し、その結果、IFN-αが産生されることが示された。この活性化と塩基配列の関係は検討中である。(2)CpG DNAによるIgE産生の抑制にpalGACGA1010で活性化されたpDCが関わることが示された。 「結論」H16の成績を含めて記す。A-type CpG DNAはヒトpDCにIRF-7の発現を誘導しその活性化を起こす。前者はTLR9下流のNF-κB/p38 MAPK活性化を介しており、後者はNF-κB/p38 MAPK非依存性にエンドゾームで起こると考えられる。我々が開発したpalGACGA1010はアレルギーの予防治療に有用と示唆される。
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Research Products
(1 results)