2005 Fiscal Year Annual Research Report
A群レンサ球菌毒素短白質発現機構の網羅的解明とその制御に関する研究
Project/Area Number |
16590356
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷川 忠男 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10314014)
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Keywords | A群レンサ球菌 / 毒素蛋白質 / 二次元電気泳動 / 遺伝子発現 / クリンダマイシン / 遺伝子発現調節因子 / シグナルペプチダーゼ / 劇症型レンサ球菌感染症 |
Research Abstract |
劇症型レンサ球菌感染症は再興感染症として問題となっており、その病態には菌が産生する毒素が重要な役割を果たしている。その毒素産生の機序について様々な角度から解析を行い、以下の知見を得た。 1.A群レンサ球菌の病原因子発現調節に最も重要であるmgaとその近傍に位置するmga-associated geneのノックアウト株をM1臨床分離株において樹立した。毒素蛋白質SICの発現に影響を及ぼし、その機序として、プロモーターへのMga蛋白質の結合に関与する可能性を示した。 2.劇症型感染症に使用が推奨されているクリンダマイシンの毒素発現への影響について、発現が増大する毒素の存在を16年度に示したが、その作用は抗生物質の投与時期、すなわち菌のどの増殖時期に投与するかによって大きく影響されることを明らかにした。また毒素発現を変化させるメカニズムのひとつに転写終結因子NusG、二成分制御因子CsrSの関与が示唆された。 3.A群レンサ球菌SF370株のゲノム上に存在する二つのシグナルペプチダーゼIノックアウト変異株の作成に成功した。それらはシグナルシークエンスを切断する毒素にかなりの特異性があるが、両者がともに関与すると考えられる毒素の存在が明らかとなった。 4.劇症型感染症の頻度が高いM1株において、分泌毒素蛋白質プロファイルが複数存在し、それが二成分制御因子CsrSのアミノ酸変異が関与していることを、分離時期の異なる種々の臨床分離株の塩基配列の検討と、ノックアウト変異株の作成によって明らかにした。
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Research Products
(2 results)